2019 Fiscal Year Research-status Report
Modeling forest ecosystem responses to environmental change implementing spatial heterogeneity of trees
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18K03764
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| Research Institution | Waseda University |
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Principal Investigator |
横沢 正幸 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (80354124)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 森林生態系 / 樹木集団動態 / サイズ構造 / 個体間相互作用 / 計算簡約化 / 環境変動 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
4つのサイトで測定された毎木センサスデータに基づいて林木動態を解析した。優先樹種は暖温帯常緑広葉樹林、冷温帯落葉広葉樹林、亜高山帯常緑針葉樹林、亜寒帯常緑針葉樹林である。これをグリッドデータとして整備し、林木動態を格子モデルを用いてシミュレートした。気象環境データは気象庁の高層グリッド気象データ (GPV) データを境界条件として、局地気象モデル（SCALE）を駆動 して、毎僕データが測定された期間の気象環境の推定を試みた。局地気象モデルのパラメータ決定と推定結果の妥当性判定は近隣のアメダス観測値などの気象観測データによって行った。再現した気象要素は日射量、気温、降水量、湿度、地温、土壌水分である。各サイトにおける林木集団動態の格子モデルシミュレーションは、群集サイズ構造の平均、CV、および歪度の時間変化をよく再現した。これの結果を空間情報を最大限利用した動態推定の結果として担保して、空間情報を捨象したサイズ構造モデルの推定結果と比較することにした。格子モデルによるシミュレーションとその動態解析によって、個体サイズと空間配置との関係を詳細に分析でき、空間情報を捨象したサイズ構造モデルが追随できないアスペクトについて、その因果関係を解析することに利用できる。再解析による気象環境については、局地気象モデルのキャリブレーションを行った結果、気温、地温については良好に近隣アメダスの時系列を再現することができたが、日射量、降水量および湿度は推定精度が悪かった。理由は、このような環境要素は空間不均一性が高いことが主要因であるが、局地気象モデルの空間解像度の問題、アメダスデータの誤差の問題などが挙げられる。今後は、再解析環境データを空間モーメント近似を導入したサイズ構造モデルに結合できるように、後者のモデルに物理環境に依存した成長、枯死、加入過程モデルの組み込みを行う。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度では、前年度完了できなかった局地気象モデルによる過去環境データの推定を中心に行った。加えて、研究協力者らが測定した4つの森林観測サイトにおける毎僕データに基づいた林木集団の動態を空間明示モデルと空間非明示モデル（空間モーメント近似を援用したサイズ構造モデル）の両方を利用して解析した。これにより、新たなサイズ構造モデル出力の妥当性検討を行う基盤が整備できた。以上を総合して上記区分の評価とした。
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| Strategy for Future Research Activity |
当該年度に整備した気象再解析データならびにこれまでに改良・高度化したサイズ構造モデルシステムを利用して、毎木センサスデータに基づく観測サイトにおける過去の林木動態のシミュレー ションを行う。その結果を解析して、空間モーメント近似の妥当性および限界を明らかにする。その際、最も重要な群集内の光量分布については、現地において全球カメラを利用した実測撮影データとの比較を試みる予定であるが、感染症拡大の影響により実施可能か現時点では不明である。実測が不可能であった場合には、空間明示モデルを格子モデルから連続空間モデルに拡張して、モデルによる林木群集内部における光量の時間空間分布を生成してそれとの比較を行う。
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| Causes of Carryover |
研究成果の発表のための旅費が感染症拡大の影響により使用できなかった。今後の発表機会あるいは研究打合せの旅費に使用する予定であるが、出張が不可能な場合にはモデルを検証、改良する際に必要となるデータストレージの購入費用にあてる。
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