2020 Fiscal Year Annual Research Report
Inversion method of fault-slip analysis to determine stress tensor and friction coefficient
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18K03780
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 活志 京都大学, 理学研究科, 准教授 (70509942)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 応力逆解析 / 小断層解析 / 摩擦係数 / 構造地質学 / 地震の発震機構解 |
Outline of Annual Research Achievements |
断層方位データ解析による応力・摩擦係数の同時決定手法を完成させた.この手法の目的関数は,従来の応力逆解析の目的関数(断層滑り方向に適合する応力を探索するもの)と,断層不安定度(断層の滑りやすさ)を評価する関数を掛け合わせたものである.後者は断層の摩擦係数に依存するので,断層不安定度を大きくするような摩擦係数を決定することができる.ただし,多様な方位の断層を一度に解析するために,方位頻度分布を考慮した断層不安定度の評価関数を考案し,それを用いた. 新手法の性能を確認するため,模擬データを解析する数値実験を行った.その結果,断層面の方位分布が応力に適合していない場合(滑りにくい方位の断層群)や,ランダムに誤差を与えたデータでも正しい解(応力と摩擦係数)が得られた.また,複数の応力に起因する断層群の場合は,応力の検出能が向上した.ただしその場合は,摩擦係数決定の確度は低下した. 新手法を天然の断層データに適用した.大分市周辺に分布する大分層群の分布域で収集した断層データを解析したところ,北北東-南南西引張の正断層型応力と,約0.58の摩擦係数が求まった.これらは,南北伸長変形が進行する別府-島原地溝において想定される応力,堆積岩に想定される摩擦係数であり妥当な結果である.次に,房総半島(千葉県)南東部に分布する安房層群を切る断層群を解析した.従来の応力逆解析法では複数の正断層型応力が求まるのみだったが,新手法により南北圧縮の逆断層型応力が検出された.逆断層型応力は同地域に発達する地質図規模の断層や褶曲の成因と考えられる.摩擦係数は約0.75だった. 本研究が開発した手法により,断層方位データ解析によって地質時代の応力だけでなく摩擦係数を求めることが可能になり,応力の検出能が高まった.今後は天然データへの適用研究とともに,複数の応力や摩擦係数を検出するための手法の改良が望まれる.
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