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2022 Fiscal Year Annual Research Report

Near-trench magmatism and its thermal effects on accretionary sediments

Research Project

Project/Area Number 18K03783
Research InstitutionKochi University

Principal Investigator

川畑 博  高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 准教授 (90392943)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2023-03-31
Keywordsマグマ貫入深度 / 最高被熱温度
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、苦鉄質マグマの貫入深度および未固結堆積物の最高被熱温度の制約を試みた。貫入深度に関しては、斑れい岩の相平衡関係や角閃石を用いた地質圧力計から精度良く貫入深度を推定することは困難であった。そのため、斑れい岩体に砕屑岩脈が発達する産状を利用して貫入深度を見積もった。具体的には、水と砕屑粒子からなる混合物が混相流として振る舞える粒子分率をジャミング転移の観点から制約した。さらに、南海トラフの掘削データから得られている深度と間隙率の間に見られる相関関係を用いることで、砕屑岩脈が約100 MPa以下で形成されたと結論づけた。一方、堆積物の被った最高温度に関しては、シュードセクションを用いて、変成鉱物の出現する温度条件を約400℃から500℃と推定した。貫入境界近傍の堆積岩や斑れい岩体中の砕屑岩脈には、石英と長石の共晶組織(微文象組織)が認められる。先行研究ではこの組織が存在することを根拠として、砕屑岩脈が溶融して珪長質マグマができるほどの高温を経験したと解釈されていた。しかし、石英と長石の共晶組織は、熱水条件下で行った室内実験でも合成されているため、微文象組織の存在がマグマの存在を示す証拠とならない可能性がある。そこで、微文象組織の形成条件を調べるため、 微文象組織内の気液二相流体包有物を対象にマイクロサーモメトリーを行った。その結果、一次包有物の捕獲条件として最大温度430℃が得られた。この温度は、100 MPa下で水に飽和した陸源堆積物が溶融を開始する温度よりも十分に低温である。このことから、微文象組織はマグマの結晶化で生じた組織ではなく、熱水存在下で形成されたと判断される。

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Published: 2023-12-25  

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