2022 Fiscal Year Annual Research Report
Solid solubility limit of incompatible element in olivine aggregates
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18K03799
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小泉 早苗 東京大学, 地震研究所, 特任研究員 (60792504)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | カンラン石 / 多結晶体 / 粒径 / 不純物効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではこれまで天然岩石に比べて化学組成や化学種においてきわめて単純化された高純度試薬由来試料や特定の元素種を添加した試料を用いて実験を行ってきた。この試料はマントルや下部地殻の主要構成物質であるカンラン石や斜長石の不純物を含まないピュアな鉱物多結晶体の素過程研究に非常に有効であった。最新の成果(Yabe et al. (2020 JGR))では高純度のカンラン石多結晶体に対し、粒界に選択的に濃集(偏析)するCaやAlを添加することで、粒界拡散が促進され、オリビン多結晶体の軟化を生むことが明らかになった。 融点以下のある温度以上でのみその軟化が生じることから、粒界におけるバルク融解の前駆的現象が推定された。Yabe&Hiraga(2020 JGR)は、それが柔らかいマントル生む原因(アセノスフェアの存在理由)であると提案した。これらの結果は、天然岩石の「不純さ」が岩石物性に大きな役目を果たしていることを示唆している。本研究では岩石物性における不純物効果を詳細に調べるための試料合成に取り組んだ。天然由来の原料を使用することで、多種多様な不純物元素を含む試料を得ることができる。幌満カンラン岩体の平均的な組成を持つ泥の採取場所の選定から行い、原料の微粒加工及び調粒したのち放電プラズマ焼結によって焼き締めることで、化学組成において平均的な天然岩石をよく模擬し室内実験に適した緻密・細粒な合成カンラン岩試料の合成手法を確立した。
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Research Products
(5 results)