2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K03801
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
寺川 寿子 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (30451826)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 地震 / 絶対応力 / 間隙流体圧 / 弾性歪エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
間隙流体圧をパラメータとした絶対応力場のモデル化(Terakawa and Hauksson, 2018)を用いて,まず,Yang et al. (2012)のメカニズム解カタログを用いて,1992年ランダース地震震源域(南カリフォルニア)の絶対応力場をモデル化した.また,ランダース地震のすべりモデル(Wald and Heaton, 1994)と変位の食い違い理論によるすべり応答関数(Fukahata and Matsu'ura, 2005)を用いてランダース地震による応力変動場を計算し,これを本震直前の絶対応力場と重ね合わせることにより,ランダース地震前後の絶対応力場をモデル化することに成功した.本手法では,応力6成分が直接得られるため,大地震前後の弾性歪エネルギーの変化を評価することが可能であり,これは従来の方法では得られない成果である.地震は弾性歪エネルギーを解放するように発生し,解放したエネルギーは,放射エネルギー・破壊エネルギー・熱エネルギーとして消費される.このうち,放射エネルギーは,地震波の解析から見積もることができる量であり,ランダース地震の場合は,4.3×10^16Nmと見積もられている(Kanamori et al, 1993).大地震前後の弾性歪エネルギーの時間変化は,絶対応力場のレベルに依存する.本研究では,ランダース地震による弾性歪エネルギーの変化量と間隙流体圧パラメータの関係を定量的に示し,観測された放射エネルギーの変化量を境界条件に,間隙流体圧パラメータの最適値を介して絶対応力場のレベルを推定した.この結果,ランダース地震震源域の偏差応力の大きさは深さ5kmで44MPa程度であると見積もられ,南カリフォルニアの内陸部は基本的にAnderson-Byerleeの標準状態にあることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を遂行するための鍵となる解析法「地震データから地殻の絶対応力場をモデル化・推定する手法」を南カリフォルニアの実データに適用し,絶対応力の推定を行うことができた.今後,沈み込み帯にある日本の複雑な応力場を推定することを目指しており,その前により単純なテクトニック環境にあるカリフォルニアでの解析が実施できたことは,大きな成果である.
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Strategy for Future Research Activity |
開発した解析法により,2016年熊本地震震源域の絶対応力場の推定を目指す.
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Causes of Carryover |
並列計算機の機能の検討に時間がかかり,その購入を見送ったため.
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Research Products
(9 results)