2021 Fiscal Year Annual Research Report
Origin of the heterogeneity in the oceanic lithosphere
Project/Area Number |
18K03807
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
志藤 あずさ 岡山理科大学, 生物地球学部, 講師 (90376541)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 海洋リソスフェア / 層状不均質構造 / Po/So波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、海洋リソスフェアの不均質構造の成因を明らかにすることである。近年、Po/So波の研究により太平洋の海洋リソスフェアの内部には、層状不均質構造が広範囲に分布することが明らかになった。この層状不均質構造の成因は、海洋リソスフェアそのものの生成・成長過程にも深く関係していると考えられる。 当該年度は、前年度に引き続き大西洋リソスフェアを伝播するPo/So波の解析を行うとともに、太平洋リソスフェアの中でも海台など特異な地域を伝播するPo/So波焦点をあてた解析を行った。 その結果、大西洋リソスフェアにおいてもPo/Soが伝播し、広く層状不均質構造が分布していることが明らかになった。また、年代が古くなるほどPo/Soの伝播効率が高くなることなど、太平洋リソスフェアと調和的な結果が得られた。このことは、太平洋リソスフェアも大西洋リソスフェアも、基本的な成長過程のプロセスが同様であることを示している。 一方、太平洋リソスフェアにおいて、より詳細なPo/So波の伝播効率の空間変化を調査したところ、オントンジャワ海台(約1億2千万年前に噴出した洪水玄武岩からなる海台)など特異なプロセスを経た地域を伝播するPo/So波は伝播効率が極端に低いことが明らかになった。このことは、前述のような地域では、海洋リソスフェア中の層状不均質構造が未発達であることを示しており、層状不均質構造の成因が海洋リソスフェアその生成・成長過程に直結していることを強く示唆する結果である。以上の結果について、日本地球惑星科学連合2022年大会において発表を行う。
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