2020 Fiscal Year Research-status Report
Relation between deep low-frequency earthquakes and magmatic fluid
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18K03816
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Research Institution | Hot Springs Research Institute of Kanagawa Prefecture |
Principal Investigator |
行竹 洋平 神奈川県温泉地学研究所, 研究課, 主任研究員 (20435853)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 深部低周波地震 / マグマ供給 / マグマ熱水系 / 地殻構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は火山深部低周波地震と火山活動、マグマ供給過程との関係を理解することを目的としている。当該年度においては、箱根火山下深さ20km付近で発生する深部低周波地震活動域から火山浅部までの3次元地震波速度構造を、地震波トモグラフィー解析を通して明らかにした。その結果、深部低周波地震発生域の深部及び浅部延長において低速度域が推定され、さらに深さ9km付近にはマグマ溜まりの存在を示唆する低速度域が推定された。深部低周波地震発生域から深さ9km付近のマグマ溜まりにつながる低速度域の存在はマグマ性流体の経路を反映している可能性があり、深部低周波地震発生域における新たなマグマ供給が、深さ6km付近に推定される火山性膨張源や、より浅部で発生する群発地震の活発化に影響を及ぼすという昨年度までの研究成果を支持する結果が得られた。得られた地殻構造は、箱根火山深部からのマグマ供給や、火山浅部熱水系へのマグマ起源の流体の供給の理解、さらには地震や地殻変動といった変動現象とマグマ供給との関係を理解するうえで極めて重要な成果と考えられる。当該年度にその内容を国際学会誌に投稿し、受理された。また、箱根火山深部で観測された深部低周波微動の発生メカニズムの解明のため、差分法を用いた理論波動場の推定を進めた。その他、静岡県立大学・東海大学との共同研究のもと、富士山下で発生する深部低周波地震についてマッチドフィルター法を用いた地震の検出を進め、2012-2020年の期間での詳細な活動履歴を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
箱根火山における深部低周波地震活動様式や地殻構造その他の火山活動との関係性の理解が進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
深部低周波地震や深部微動とマグマ供給過程との関係をより明瞭にするため、観測波形を説明できる震源モデルの構築を進める。富士山などの火山での深部低周波地震の活動履歴や地震活動の特性、地殻変動時系列との比較を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響ため予定していた学会等がオンライン開催または延期となり旅費の支出が無くなったため。次年度は、オンライン学会参加及び成果取りまとめのための英文校閲費や論文掲載料等に使用する予定である。
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Research Products
(7 results)