2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K03826
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
菅森 義晃 鳥取大学, 農学部, 講師 (10587356)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 超丹波帯 / チャート / 放散虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は兵庫県丹波市柏原地域および美作-上月地域(岡山県東部および兵庫県西部)の超丹波帯の地質調査を実施した. 丹波市の超丹波帯については,これまでの調査結果を勘案すると,2つないし3つの構造層序にまとめられると考えられる.構造的最下部は砕屑岩を主体とし,わずかにチャートや緑色岩を伴う構造層序単元であり,構造的最上部はチャートや緑色岩を含む構造層序単元である.前者はペルム紀後期,後者はペルム紀中期の放散虫化石が砕屑岩が得られている.また,多数のチャートの試料(約160試料)を採取し,ほとんどの試料に放散虫化石が含まれていたが,年代決定に有効なものを得たのはごくわずかであった.この検討により,ペルム系最下部ないし石炭系最上部のチャートを放散虫化石によって確認した.この層準を中心に連続的に試料を今後採取し,微化石を検討することが必要であることがわかった. 美作―上月地域の超丹波帯については,地質調査の結果,岩相分布が従来知られているものと異なる可能性が見出された.さらに,先行研究でチャートの分布が示されている箇所を中心に概査を行った結果,それらの多くは珪長質凝灰岩であることがわかった.したがって,珪長質凝灰岩は遠洋性堆積物でない可能性が高く,今後詳細な地質調査を実施して,構造層序ならびに遠洋深海堆積物を探索する必要が生じた.このような状況ではあるが,いくつかの地点でチャートを確認し,多数のチャート試料を採取した.多くのチャート試料には肉眼で放散虫化石が含まれていることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フィールドに出られる時に限って,天候不順だった場合が多かった.また,育児休業を取得したため十分な研究時間を確保できなかった. 想定よりも,採取した試料からは十分な量の微化石を得ることはできていない.肉眼では微化石の含有を確認できるが,化学処理の結果は芳しくない.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,引き続き丹波市柏原地域の超丹波帯とともに上月-美作地域および今年度からは綾部地域の超丹波帯の地質調査および微化石マッピングを行い,構造層序区分を確定する(特に丹波市の超丹波帯).新たな露頭の発見に努めるとともに,採取試料を増やし,微化石の抽出を試みる予定である.また,砕屑性ジルコンのU-Pb年代測定用試料の検討も行う.
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Causes of Carryover |
本研究のフィールドに出られる時に限って,天候不順だった場合が多かった.また,育児休業を取得したため十分な研究時間を確保できなかった. 2019年度は顕微鏡に関する物品が故障したため,その代替品や顕微鏡カメラおよび旅費として使用する.
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