2022 Fiscal Year Research-status Report
P/T境界大量絶滅後の三畳紀有孔虫群集における多様性回復過程の研究
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18K03829
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
上野 勝美 福岡大学, 理学部, 教授 (90241786)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 三畳系 / 有孔虫 / 大量絶滅 / 多様性回復 / ペルム系 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度に4年間の研究として開始した本科研費は,新型コロナ感染症蔓延のため令和元年度末から令和3年度に計画していた野外地質調査が実施できなくなった.そのための措置として令和4年度に補助事業期間延長を行った.令和4年度には徐々に渡航制限が解除されたことを受け,10-11月にタイ王国東部のサケオ地域(アランヤプラテート地域)において上部三畳系炭酸塩岩の追加調査を行った.この三畳系炭酸塩岩サクセションは従来報告のなかったもので,調査地域のアランヤプラテートから南のソイダオ地域,さらに南方のチャンタブリ地域にかけて広く分布するPong Nam Ron層の同時異相である.Pong Nam Ron層が火山岩片を大量に含むのとは対照的に,アランヤプラテートの三畳系炭酸塩岩には火山性物質や珪砕屑物は見られない. またこの調査では,タイ中部のペチャブン県Phu Nam Yod地域の三畳系Hua Hin Lat層の調査も行った.この地域のHua Hin Lat層は,主にペルム紀の石灰岩礫から成る石灰岩礫岩で,構造性の崖錐性堆積物起源である可能性がある.礫には前期―中期ペルム紀のものが多いが,より新しい年代の礫がないかを確認するため調査した. 室内での検討では,主にタイ北部ランパン地域で採取された試料の処理を行った.今年度は最上部ペルム系の有孔虫群集の詳細を明らかにすることを念頭に検討を進めた.その群集構成要素として,これまで報告のあったPalaeofusulina sinensis, Reichelina changhsingensis, Gallowayinella guidingensisなどのフズリナのほか,Colaniella cylindrica, Rectostipulina quadrata, Retroseptelinaなど,多様な小型有孔虫が含まれている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度末に補助事業期間延長を行った際には,令和4年度の早い段階で2回の野外調査を行い,その結果をまとめることで研究終了を計画していたが,新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延が続いたため,野外調査の実施が計画通りに行えなかった.そのため,最終的に補助事業期間の再延長申請を行った.このような状況に鑑み,研究の進捗状況としてはやや遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の再延長を行った令和5年度には,主要調査地域であるランパン地域においてP/T境界層準を含むいくつかのセクションにおいて追加試料を得るための調査を行う.また,ランパン地域を含むスコタイ帯分布域において,本研究の更なる発展的展開を探るため,他の三畳系セクションの状況を確認する調査を実施する.これらのデータをまとめ,6月にイタリアで行われる国際有孔虫会議(FORAMS2023)において研究成果を公表する予定である.
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Causes of Carryover |
令和4年度も新型コロナウイルスの世界的な蔓延が終息せず,当該研究の重要項目であるタイ王国での野外地質調査が予定通りできない可能性が想定された.研究期間の再延長を見越して本年度予算を執行したため,繰り越しが生じた.
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Research Products
(5 results)