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2019 Fiscal Year Research-status Report

粗骨材粒を含む多孔質耐火れんがの構造モデル化と非線形変形挙動解析に関する研究

Research Project

Project/Area Number 18K03835
Research InstitutionShizuoka University

Principal Investigator

坂井田 喜久  静岡大学, 工学部, 教授 (10334955)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords多孔質耐火れんが / 非線形変形 / 減衰要素 / 構造粘性 / 粗骨材粒
Outline of Annual Research Achievements

1年目の研究実績より,新たに断面30×40mm,長さ100mmの角柱試験片を作製し,一定の荷重速度で単軸負荷と除荷を繰り返す圧縮試験により非線形な変形挙動を実測し,供試レンガの非線形な変形挙動を表現する構造モデル化にチャレンジした.
実験は,試験片を圧縮する前に共鳴振動法により初期動弾性率を測定した.次に,試験片に設定した最大荷重まで圧縮した後,一律の最小荷重30Nまで除荷した.ついで,最大荷重と最小荷重の間で負荷と除荷を数回繰り返した.なお,試験条件は,最大荷重を3kN, 4kN, 5kNの3条件,1秒当たりの荷重速度を75mN, 750mN,7500mNの3条件の合計9条件とした.実験の結果,初期の負荷開始点の接線弾性率は動弾性率とほぼ一致すること,また1回目の負荷で最大荷重点Aのひずみに達した後,最小荷重点Bまで除荷すると,試験片にはB点で数μεの圧縮ひずみが残留するが,再び最大荷重と最小荷重の間で負荷と除荷のサイクルを繰返すと,荷重速度を変化させても荷重-ひずみ関係はほぼ同じA点とB点を通り,かつ一定のヒステリシスループを描くことがわかった.
供試材が圧縮荷重下において可逆的なヒステリシスループを描き,かつ荷重速度依存性がないことが実験的に確かめられたので,本研究では,供試材の力学モデルは弾性ばね要素と構造粘性による減衰要素の組み合わせで表現できると考え,最大荷重点Aと最小荷重点Bとの間の荷重と変位の挙動を定常状態とする運動方程式を検討した.その結果,2回目以降の最大荷重点と最小荷重点の荷重-変位挙動は,ばね要素と構造粘性要素を並列につなげたフォークトモデルで表現でき,荷重速度による挙動変化は起きないが,レンガに加える最大荷重が増すとレンガの構造が変化して力学モデルに含まれる構造粘性のばね定数ik’が変化することがわかった.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度の結果より,単軸圧縮試験を実施して圧縮荷重下のみではあるが,供試レンガ自身が持つ非線形かつ可逆的な変形挙動の実態を実験的に明らかにすることができた.また,荷重速度依存性の有無を明らかにできたことで,研究計画の時点では明確でなかった減衰要素の形態が粘性減衰ではなく,構造粘性であることが判明した点で当該研究は概ね順調に進展していると判断している.

Strategy for Future Research Activity

供試レンガがばね要素と構造粘性要素を並列につなげたフォークトモデルで非線形な変形挙動を表現できることが明らかとなった.そこで,最終年度は,マグネシアとスピネルの2種類の粗骨材粒子とその界面に注目し,非線形な変形挙動の基となる構造粘性を発現する微構造因子について実験と解析の両面から明らかにしたいと考えている.
実験面では,X線による評価が困難であることが2年目までの研究を実施して明らかになったので,試作する負荷治具のもとで圧縮試験が可能な角柱試験片を作製し,マグネシアとスピネルの2種類の粗骨材粒子とその界面が判別できる倍率の顕微鏡下で圧縮試験を行い,負荷と除荷時のミクロな変形挙動について検討する.
また,解析面では,供試レンガの代表的な微構造を有限要素法上でモデル化し,非線形な変形挙動が再現できる構造因子を見出したい.

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] マグネシア・スピネル質れんがの構造モデル化と圧縮変形挙動の解析2020

    • Author(s)
      栁川諒,坂井田喜久,尾関文仁
    • Organizer
      日本材料学会東海支部第14回学術講演会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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