2019 Fiscal Year Research-status Report
Fatigue Lifetime of Micro Mirror on High Torsional Stress and Elucidation of Accelerated Fatigue Phenomena
Project/Area Number |
18K03836
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
泉 隼人 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90578337)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マイクロミラー / シリコン / 有限要素法解析 / ねじり応力 / 疲労破壊 / 透過型電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
半導体シリコンの疲労機構を明らかにすることを目的として、透過型電子顕微鏡下でシリコンの疲労過程を直接観察するためのマイクロミラーの設計に取り組み、設計したミラーデバイスの振動特性やミラー支持部の梁のねじり応力について有限要素法解析を行った。また透過型電子顕微鏡観察を行う際、デバイスを観察ホルダに設置する必要があるが、既存品では対応できないため、試料を固定する専用ステージを設計した。 一方、ミラーデバイスの設計・解析と並行して、シリコンの疲労損傷を可視化する手法およびミラーデバイスへの実装について検討した。シリコンの疲労過程の可視化には電子線誘起電流法を採用した実績があり、本手法をミラーデバイスへの適用できるかどうか予備実験を行った。デバイスで電子線誘起電流法を実施するにはpn接合を設ける必要があり、ミラーの支持梁にpn接合を作り込こむことで、梁のねじり負荷による損傷状態を可視化する。ミラーデバイスはSOIウエハの活性層に作製するが、透過型電子顕微鏡の観察実験であるため、デバイスの厚みは一般的なミラーの仕様よりも薄く、2~10ミクロンとなる。pn接合の空乏層をこの厚みに納める必要があり、過去行った作製条件では適用できないことがSIMS分析で分かったため、pn接合の作製条件を見直した。ドーパントの拡散が主要な原因であったため、熱処理にはランプアニールを採用し、拡散に対する問題改善を確認した。ミラーデバイスの製作に併せてpn接合を作り込むといった製作工程の課題は残されているが、電子線誘起電流法に対応させることは可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
透過電子顕微鏡でシリコンの疲労を直接観察施するために、顕微鏡の観察ホルダの仕様にあわせたマイクロミラーの設計や振動特性の解析に時間を要している。また観察には、名古屋大学の透過型電子顕微鏡の利用を予定しているが、シリコンの疲労過程の観察において長時間装置を占有することが難しいため、当初計画とは別にシリコンの疲労損傷が現れた段階で観察する手段が必要になった。シリコンの損傷状態の可視化には、電子線誘起電流法を試みた実績があるものの、ミラーデバイスの仕様にあわせたpn接合の作製条件や実装方法についての検討が必要であったた。
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Strategy for Future Research Activity |
ミラーデバイスの製作および疲労試験を実施し、透過電子顕微鏡を用いたシリコンの疲労現象の観察実験を実施する。シリコンの疲労損傷状態をモニターするため、電子線誘起電流法に必要なpn接合をミラーデバイスに実装する方法を検討する。
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Causes of Carryover |
ミラーデバイスの設計と解析に時間を要していること、当初計画の予定にはない電子線誘起電流法の実装の検討など、ミラーデバイスの製作や透過型電子顕微鏡観察費を次年度に延期することになり、残予算を繰越すに至った。繰り越した予算は、実験と観察および成果を発表するための費用に充当するよう計画している。
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