2022 Fiscal Year Research-status Report
Study on influence of twin deformation to fatigue crack initiation of Mg alloy using ultra-bright synchrotron radiation 4D-DCT
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18K03837
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中井 善一 神戸大学, 工学研究科, 名誉教授 (90155656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩澤 大輝 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (60379336)
菊池 将一 静岡大学, 工学部, 准教授 (80581579)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マグネシウム合金 / 双晶変形 / 双晶帯消滅 / 双晶帯消滅 / 集合組織 / 高輝度放射光 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来,細束X線回折法に用いられていた手法を,高輝度放射光を用いた回折コントラストトモグラフィーに応用して,多結晶金属材料の各結晶粒における回折スポットの拡がりから過剰転位密度を評価することのできる手法を開発した.その手法の妥当性を検証するため,これまでに得られていた調和組織材料の引張試験結果における実験結果に適用した.その結果,微小な結晶粒における過剰転位密度が,粗大結晶粒における過剰転位密度よりも大きいことを明らかにした. さらに,同様の手法を,疲労に応用した結果,疲労き裂発生に無関係な結晶粒の過剰転位密度の変化は繰返し数とともに連続的に増加するが,疲労き裂発生部位周辺の結晶粒における過剰転位密度の変化はき裂発生に伴って減少することがわかった. また,除荷弾性コンプライアンス法を改良して,疲労き裂伝ぱに重要な役割を果たすき裂開閉口挙動を精度よく測定することのできる新たな方法を開発し,ナノ結晶薄膜材の実験に適用した.その結果,薄膜のき裂伝ぱ速度と有効応力拡大係数範囲の関係は、応力比と膜厚に依存しないことが明らかになった.パリス則領域では、有効応力拡大係数範囲が同程度の場合,薄膜のき裂伝ぱ速度はバルク板よりも高く,き裂閉口は膜厚効果を説明できないことが明らかになった.しかしながら,下限界有効応力拡大係数範囲については、薄膜とバルク板で相違は見られなかった。さらに,パリス則領域では,厚さ10μmのフィルムでは,き裂伝ぱ速度と応力拡大係数範囲の関係に対する粒径の影響は認められなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は新たに実験を行わず,昨年度までに得られた成果の国際会議での発表と論文執筆に重点を置く予定であった.実際に,7月17日~21日に,(クラクフポーランド)で開催されたICEM 2022,9月12日~14日にブルノ(チェコ)で開催されたMSMF 10, 9月27日~29日にダルムシュタット(ドイツ)で開催されたMSE 2022, 2月21日~24日にローマ(イタリア)で開催されたIGF 27において研究成果の発表を行った.また,国内では,8月8日に東北大学で開催された日本材料学会疲労部門委員会において,記念講演を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度も新たに実験を行わず,昨年度までに得られた実験結果の考察を主たる目標とする.また,本年度は最終年度となるため,昨年度に引き続き成果の学会発表と論文執筆に重点を置く.既に発表が確定しているのは,7月20日(木)~21日(金)に山梨県立図書館で開催される日本材料学会・第57回X線材料強度に関するシンポジウムである.
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Causes of Carryover |
本年度,成果発表を予定していた学会に参加することができず,出張旅費の支出が生じなかったため次年度に参加することとした.そのための出張旅費,参加登録費,および論文執筆に必要な消耗品費に経費を使用する予定である.
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