2018 Fiscal Year Research-status Report
Applied research on the structural element of the interfacial crack suppression of foam core sandwich panel for aircraft and spacecraft
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18K03851
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
廣瀬 康夫 金沢工業大学, 工学部, 教授 (80600163)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 発泡コアサンドイッチパネル / クラックアレスター / レジン材 / 成形性向上 / エネルギー解放率 / 数値解析 / き裂進展抑制効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
発泡コアサンドイッチパネル構造のき裂進展抑制構造要素であるクラックアレスターについて、成形性を向上させるため、材料をCFRP90°材からレジン材に変更して、線膨張係数の差により生じる熱残留応力がき裂進展抑制効果に与える影響を定量的に評価する。 本年度は数値解析によりレジン材の適用による熱残留応力がき裂進展抑制効果に与える影響について評価すると共に次年度で製作する供試体の形状を設定した。 本研究の解析対象は、供試体長さ300[mm]、供試体幅を50[mm]、発泡コアをROHACELL WF51、面板をCFRP織物材のサンドイッチパネルに半径10[mm]の半円形断面アレスターを設けたモデルとした。面板にアレスターを直接接着したモデルをベースラインアレスター、アレスターを面板が覆っている形態を改良型アレスターと称する。 この二種のモデルについて熱残留応力を考慮したFEM解析とMCCI法またはVCCT法によりき裂先端のエネルギー解放率を求め、き裂先端がクラックアレスターに接近するのに伴うき裂先端のエネルギー解放率の変化を評価して以下の結果を得た。すなわち、ベースラインアレスターにおいて熱残留応力はき裂の開口を抑制する方向に働き、モードⅠ型負荷形態でのき裂進展抑制効果に優れる。一方で、モードⅡ型負荷形態ではレジンがCFRPと比較して剛性が低いため、き裂進展抑制効果に劣る。また、改良型アレスターにおいて熱残留応力はき裂の開口を助長する方向に働き、モードⅠ型負荷形態でのき裂進展抑制効果にやや劣るが、モードⅡ型負荷形態では覆っている面板の剛性が支配的になるため、明確なき裂進展抑制効果の差は生じない。以上の知見に基づいて破壊じん性試験供試体の図面を作成した。併せて、調達に時間を要する発泡コア材(Evonik社のROHACELL WF51を予定)とモードⅠ型負荷試験用金具を購入した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定より数値解析作業が進んでおり、令和2年度に予定しているクラックアレスターの最適形態も視野に入れた解析を行うことができた。また、図面作成後に行う製造業者との調整も前倒しで行いうことができた。これらのことから、3年計画では当初の計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度(令和元年度)はモードⅠ型およびモードⅡ型の破壊じん性試験を行うので、製造業者と連絡調整を密にして製造スケジュールをキープすると共に予備試験等により試験手順やデータ整理の手法を確認して確実な計画の遂行を図る。また、試験結果と数値解析結果の比較検証に注力してき裂進展抑制効果のメカニズムを把握することに努める。
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Causes of Carryover |
為替の変動等により輸入品である発泡コア材の価格が当初の想定値と異なったために差異が生じた。本年度(令和元年度)はこの差額を供試体製作費に充当して試験供試体数を増やし研究成果の充実を図る。
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Research Products
(1 results)