2018 Fiscal Year Research-status Report
非比例多軸変動負荷における疲労強度特性の実験的検証および疲労強度評価手法の高度化
Project/Area Number |
18K03854
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
伊藤 隆基 立命館大学, 理工学部, 教授 (40242581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 文男 立命館大学, 理工学部, 助教 (00424812)
坂根 政男 立命館大学, 理工学部, 教授 (20111130)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 金属疲労 / 材料強度 / 強度評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
航空機や高速鉄道車両、高温構造機器などの実機を構成する部材では、繰返し荷重の応力・ひずみの主軸が多方向に複雑に変動する繰返し多軸負荷(非比例多軸変動負荷)を受けることが多い。報告者らは非比例多軸変動負荷におけるこれまでの一連の疲労強度研究成果を基に、多軸応力・ひずみの評価手法および多軸負荷損傷を考慮した損傷評価手法を構築してきた。また、両評価手法(評価手法)を機械構造機器・部材の疲労に関する実設計・開発および維持管理に応用するため、現場で利用できる多軸疲労強度設計解析ツール(強度解析ツール)を開発してきた。評価手法および強度解析ツールを開発する上で非比例多軸変動負荷における特有な未解決問題が派生したことから、本研究ではそれらを解決するために検証実験および評価手法の強化を図り、複雑な非比例多軸変動負荷での繰返し数の計数法および非比例損傷累積の定量化、さらにそれらの材料依存性等に係る諸課題を解決し、多軸疲労強度評価手法の高度化のための最終ステージに着手した。 2018年度には、蓄積された多軸疲労強度データおよび研究代表者らが提示している応力・ひずみの評価手法(IS法)および解析ツールを最大限活用し、複雑な非比例の繰返し変動負荷にも対応できる多軸疲労損傷評価モデルを構築するための基礎調査ならびに材料試験を実施して疲労強度データを蓄積した。さらに、改良多軸疲労損傷評価モデルに準じた解析ツールのプログラム補強を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、非比例多軸負荷における応力・ひずみの評価手法(IS法)を繰返し変動負荷に応用するための改良・強化を継続し、産業界で通用する利便性と実用性の高い多軸疲労強度評価モデルの開発および同モデルを基に応力・ひずみ状態や予測寿命などを評価できる多軸疲労強度設計解析ツールの開発の最終段階である。計画では、(i)研究調査,データ収集および(ii)多軸疲労試験を追加実施し、(i)と(ii)で得られた情報およびデータの解析結果を踏まえて、既に繰返し変動負荷に適応すべく改良したIS法を組み入れて(iii)多軸疲労強度評価モデル(損傷モデル)および(iv)改良型多軸疲労強度設計解析ツール(改良解析ツール)を開発することになる。さらに最終的には、(iv)設計、維持・管理の現場の技術者が、多軸疲労強度評価を容易且つ機械的にできるようにするための疲労強度評 価・解析のシステムを構築することにある。 2018年度では、(i)および(ii)を計画に挙げていたが、(ii)の追加試験内容が(i)の結果を踏まえて当初の試験内容から変更が必要となった。すなわち、損傷モデル・改良解析ツールを開発する上で当初予定していたものとは異なる試験条件での追加試験が必要となり、試験装置の製作も含めて実施が2019年度に持ち越すこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画を変更した(ii)多軸疲労試験の追加実施と、これまでに得られた情報およびデータの解析結果を踏まえて、繰返し変動負荷に適応する(iii)多軸疲労強度評価モデル(損傷モデル)および(iv)改良型多軸疲労強度設計解析ツール(改良解析ツール)の開発を進める。最終的には、(iv)設計、維持・管理の現場の技術者が、多軸疲労強度評価を容易且つ機械的にし得る疲労強度評価・解析のシステムを構築する。
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Causes of Carryover |
現在までの達成度の欄で示したように追加試験の試験および試験装置の製作が2019年度に変更したことから、経費を2019年度に持ち越した。 2018年度に予定していた追加試験は試験内容を変更して実施する。その試験の経費として使用する。
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Research Products
(8 results)