2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K03859
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Research Institution | Gunma National College of Technology |
Principal Investigator |
山内 啓 群馬工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (60396520)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Sn-Bi合金 / 超塑性 / ひずみ速度感受性指数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、Sn-Bi合金の超塑性変形を鉛フリーはんだ接合体の高性能化をもたらすキー技術と考え、Sn-Bi合金の超塑性変形メカニズムの解明およびSn-Bi合金を組み込んだはんだ接合体の機械的特性を明らかにすることを目的とする。 本年度はSn-Bi合金における超塑性変形メカニズムの解明を目的とし、様々な合金組成のSn-Bi合金を秤量・溶解・鋳造・塑性加工によりドックボーン型試験片を作製し、その引張変形挙動、および変形に伴う組織変化の観察・EBSD(電子線後方散乱回折)分析などにより力学特性と超塑性変形に及ぼす各種因子の影響について調査した。本年度は特に、Snと固溶する元素(Sb)の影響を中心に調査した。 Sb添加した合金では、試験温度60℃以上および低ひずみ速度(5.25×10-4 s-1以下)の条件で超塑性変形挙動を示し、これはこれまでの金属間化合物をつくる系であるCuやNiと同じ傾向を示した。 また、その際に求められたひずみ速度感受性指数は最大0.26を示し、これまでのSn-Bi合金では最高値となった。しかし、これまでの報告で示された微細粒超塑性変形のしきい値0.3を下回っていた。これについても、CuやNi添加と同じ結果であったので、複合添加によってどの程度改善されるのかを今後検討していきたいと考えている。 さらに、Sb添加量による変形に及ぼす影響についても調査をおこない、多く固溶すれば超塑性変形が起こりやすくなるわけではなく、最適値が存在することが明らかとなった。微細組織への影響については、これまでのSn-Bi合金とほとんど変わらないことも明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度までにSn-Bi合金の変形挙動に及ぼす各種因子の影響については調査することができて、メカニズム解明へも十分な成果が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで通り、Sn-Bi合金の変形挙動およびSn-Bi合金接合体に関する研究を進めていきたいと考えている。また、コロナの影響もあり年度末での実験計画が消化できなかった。これをなるべく計画的に解消し、今年度総括を行いたいと考えている。
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Causes of Carryover |
本年度に計画していた旅費の一部がコロナの影響で中止となったため残額が生じた。次年度消耗品として使用する予定である。
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