2018 Fiscal Year Research-status Report
紫外光/オゾンを援用したダイヤモンド基板の高効率ウエット加工法の開発
Project/Area Number |
18K03876
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
久保田 章亀 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (80404325)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ダイヤモンド / オゾン / 紫外線 / マイクロバブル / ウエット研磨 |
Outline of Annual Research Achievements |
ダイヤモンドは,硬度,熱伝導率,絶縁特性,耐環境性に優れた特性を有し,高耐圧,低損失,高速動作を可能とする冷却フリーな次世代省エネルギーパワー半導体デバイス用材料として期待されている.しかしながら,ダイヤモンドは,物質中で最高の硬度を有し,熱的・化学的に極めて安定であることから,その加工は困難であり,パワー半導体デバイスに要求される高品位なダイヤモンド表面を作製する加工技術の開発が急務となっている. 本研究では,ダイヤモンドパワー半導体デバイスの実現に向けて,溶液環境下での紫外光やオゾンの反応性を利用した化学的加工法を提案・開発し,デバイス作製時に必要とされるダメージフリーな高品位ダイヤモンド平坦面を高効率に実現することを目的としている. 2018年度は,マイクロバブル状にした酸素やオゾンを溶媒環境下での加工プロセス中へ導入し,マイクロバブル状の酸素やオゾンの導入がダイヤモンドの加工特性に及ぼす影響を調査した.【マイクロナノバブル発生装置の購入】また,溶媒に直接紫外光を照射することによる加工能率の向上の可能性についても調査した.その結果,紫外光照射やマイクロバブル状の酸素,オゾンの導入によって,加工効率が向上すること(加工能率;1.4倍~3倍)を確認することができた.また,走査型白色干渉顕微鏡での表面粗さの評価(測定領域: 72 um×54 um)においては,いずれの条件下においても,Ra=0.1 nmオーダの極めて平滑なダイヤモンド面であることもわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
溶媒環境下でのダイヤモンドの加工において,マイクロバブル状にした酸素やオゾンを利用することによって,加工効率を向上できる可能性を実験的に示すことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでは,3mm角の小サイズのダイヤモンド基板を用いて基礎研究を進めてきたが,今後は,1cm以上のダイヤモンド基板についてもウエット研磨で高効率に全面平坦化を目指した研究を進める.さらに,ウエット研磨で得られたダイヤモンド表面を様々な計測装置を用いて,幾何学的・結晶学的観点から原子レベルで評価する.
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Causes of Carryover |
当初予定していた金属製研磨定盤の購入・製作費を次年度に繰り越すことにしため.
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