2019 Fiscal Year Research-status Report
小径穴・溝形状および側壁粗さ測定用極小径ファイバスタイラス製作技術の確立
Project/Area Number |
18K03879
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
村上 洋 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (00416512)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 小径穴測定 / 微細形状測定 / スタイラス / CO2レーザ加工 / 光ファイバ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,微細金型,各種ノズル穴,半導体等の分野において,立体的で微細な三次元形状部品が増加しており,これらの計測技術の進展なしでは微細加工技術の高度化は実現できないことから,これらを精密に測定する重要性・ニーズは増加している.このような測定ニーズに応えるためには,極小径のスタイラスの製作技術およびスタイラスと測定対称面との接触を検知するセンシング技術の開発が必要となる.本研究では,穴内部形状や側壁微細粗さの測定要求を満たすために,先端が曲り鋭利なスタイラス(微細粗さ測定用の触針)や極小径の先端が球形状のスタイラス(形状測定用の触針)の開発を実施する.昨年度はウェットエッチングを用いたスタイラスシャフトの小径化および先鋭化を実施した.今年度は,CO2レーザを用いたスタイラス先端球成形および曲げ加工技術の開発を実施し,以下の成果を得た.レーザ加工条件の最適化やレーザ照射方向,振動および熱対流対策,などを実施することにより,直径1μmの先端球を成形可能であることを確認した.また,スタイラスの小径化に伴い,各種振動や圧力変動,微風の影響によりスタイラスが振動しやすくなるため測定精度に影響を及ぼす.そこで,穴などに挿入するスタイラス先端部とレーザが照射されるスタイラス中間部の直径を変化させた2段スタイラスの最適設計・製作を行った.また,2段スタイラスでは感度が低下する問題あるため,それを改善したひんじ付き2段スタイラスについても開発した.その結果,測定感度や固有振動数を大きく低下させることなく外乱に強いスタイラスを製作可能であることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シャフトの小径化0.2μmに関しては未達成であるが,小径化に伴う問題点を解決するための改良型スタイラス(ひんじ付き2段スタイラス)の最適設計および製作が可能になったため.
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Strategy for Future Research Activity |
改良型スタイラスを用いて引き続きシャフトの小径化,先端球成形の小径化,小径スタイラスの曲げ加工技術の開発を行う.また,改良型スタイラス(ひんじ付き2段スタイラス)の性能評価試験も実施予定である.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により出席予定だった学会が中止となったため.残額は次年度の消耗品(光ファイバ,エッチング液)などに使用予定.
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