2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of electric field hybrid mobile agitation technology that destroys the dominant operating environment of trace droplets
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18K03894
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Research Institution | Akita Industrial Technology Center |
Principal Investigator |
赤上 陽一 秋田県産業技術センター, 企画事業部, 専門員(技術フェロー) (00373217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 竜太 秋田県産業技術センター, 先進プロセス開発部, 主任研究員 (00634213)
大久保 義真 秋田県産業技術センター, 先進プロセス開発部, 研究員 (30826532)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 電界撹拌技術 / 液滴移動 / 接触角 |
Outline of Annual Research Achievements |
電界を活用する電界撹拌移動技術の開発目的は、次世代の研磨技術において求められる技術要件として高硬度で化学的安定性に優れる素材に対して、品位に優れかつ高い生産性を有する研磨技術の開発である。これまで、高硬度な研磨素材において生じるスクラッチ痕という深い研磨傷が問題になっている。その原因として研磨スラリーに内在する砥粒が、当初はnmオーダーの一次粒子であるが、凝集によってμmオーダーとなるため、スラリー砥粒の粒子数の減少と砥粒サイズの拡大によって研磨加工圧を研磨素材に与え易い環境を呈し、そのため深い傷すなわちスクラッチ痕が生じ易いことが知られているが解決可能な方策が存在していなかった。このためスクラッチ痕の発生を回避するために多段な研磨工程を踏むことが必要となり、合理的な研磨工法の確立に至っていなかった。これまで得られた技術成果としては、「電界撹拌技術」に「微量液滴を簡便に移動操作できる技術」を組み合わせし、液滴を傾斜配置させる電極間に設置し、交流電界を加えると、電界ON時に液滴には吸引力が作用し、OFF時には落下する動作が繰りかえされ、3次元的な撹拌作用が生まれる。また電極上にて接触角の変化と重心位置の移動によって液滴の運動制御が可能な技術が得られた。この微量液滴の運動を動画撮影して撹拌移動動作のメカニズム解明と再現性について確認できた。さらに最終年度には電界制御型微量スラリーの撹拌移動技術を小型研磨装置に導入して、高硬度で研磨性が低い次世代パワー半導体素材を試料にした研磨実験を行った結果、研磨品位はこれまでと同程度を維持しつつ、研磨レートとしては20%向上可能な研磨加工技術の結果が得られた。今後の日本のパワー半導体研磨技術の加工効率向上に資する基本的な緒言が得られたとともに本研究の応用としては、バイオ関連の微量液滴の操作に活用できるものと考えられる。
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