2019 Fiscal Year Research-status Report
同時計測と高解像度数値解析を用いた昆虫羽ばたき音の現象理解と発生プロセスの解明
Project/Area Number |
18K03955
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
青野 光 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (10623712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 浩 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (40303698)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 羽ばたき音 / 同時計測 / 高解像度数値解析 / 剥離渦 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、昆虫の羽ばたき音(羽音)の発生機構を明らかにするために、羽ばたき運動中の時系列計測(翼の運動、空気力、音場)の同時計測と数値解析を行う。(a)羽ばたき運動、力、音場の同時計測、(b)羽ばたき運動中の高解像度数値解析とその妥当性の確認、(c)流れ場・音響場の詳細解析が重要な研究項目である。
2019年度は、2018年度に明らかになった羽ばたき運動、力、音場の同時計測のための問題点を解決すべく実験計測システムの改修とテスト計測を実施した。ここでは、実際の昆虫を使用せずに代表者所有の羽ばたき型飛行ロボットを利用した。その結果、空気力と運動、空気力と音場の同時計測システムが正常に動くことを確認できた。2019年度後半に予定していた実際の昆虫での実験が、新型コロナウィルスと代表者の職の移動のために2020年度の実施に変更した。この実験の延期にともない、構築したシステムの効率や精度を向上するための更なる確認と修正作業を行った。 続いて、数値解析については高解像度計算スキームを利用した流体解析ソフトを用い、昆虫羽ばたき運動を模擬したモデルの静止飛行中の空力音響解析を進めた。ここでは、データ分析手法も取り入れ、結果の理解が更に深まった。それらの結果を国内外の学術講演会や国内での依頼講演などを通じて積極的な成果発信を行うことができた。上記に加えて、実験で計測した羽ばたき運動データを数値計算の入力データとして与え、問題なくシミュレーションが行えることを確認できた。現在、それらの結果をまとめ、論文執筆の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
数値解析に関しては順調に進んでいる。昨年度に明らかにした昆虫を利用した実験を行う上で実測システムにあった問題点を本年度は解決できたと考えている。しかしながら、年度後半に昆虫を利用した実験を通じてその確認と実測を実施する予定であった。それが延期されたために本進捗状況と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
昆虫を用いた実験の実施について、来年度も引き続き新型コロナウィルスの影響が予想されるため、早めに実験に関係する予定を実験関係者らとの調整を行い、実施の準備を進めていく。そして、実験データを取得後、速やかに数値計算と解析を進めていき、計算の妥当性の確認と羽音発生プロセスについての解析を行う。
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Causes of Carryover |
年度後半に予定していた実験が新型コロナウィルスのために来年度に延期となってしまったために差額が生じてしまった。その分は来年度の実験を実施するための費用として使用する予定である。加えて、構築した羽ばたき音の同時計測計測システムの効率化を図るための更なる機能拡充に使用する予定である。また、成果発表のための投稿論文の英文校閲費用と論文のオープンアクセス化のための費用としても使用する予定である。
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Research Products
(4 results)