2019 Fiscal Year Research-status Report
プラズマ励起燃焼のための包括的反応モデリング手法の開拓と実験的検証
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18K03975
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
小口 達夫 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90324491)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 化学反応モデル / 燃焼化学 / 活性種 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の研究結果を踏まえ,本年度においては,炭化水素及び酸素の燃焼反応において効果的な酸素活性種について,理論計算に基づいた探索を行った.励起酸素分子による反応促進の効果については,一部の高励起種に関してラジカルとの反応を促進させることも考えられるが,実際の反応場においては失活の速度も速く,必ずしも直接的な効果が期待出来ないことがわかった.一方,反応シミュレーションによる解析からは,プラズマ等の投入による分解で生成する酸素原子の励起種については特に炭化水素との反応に有利に働き,着火促進の効果も期待出来ることがわかった.しかし,その効果は添加された活性種の量に依存して反応時間を対数的に短くする程度の効果となり,活性種生成後の反応過程については従来知られている反応メカニズムで充分説明ができるものとなった. また本年度は,活性種の添加効果を実証的に検証するため,自着火現象を観察する装置の開発をあわせて進めた.既存の急速圧縮装置を改良し,着火現象の空間的分布を容易に観察可能なようにした.様々な形状,改良方法を検討した結果,意図的に流動を発生させることで加熱着火部位を反応器中央に集中させることに成功し,活性種発生器との組み合わせに目処がついた.本装置と時間制御型放電機構を組み合わせることで,放電による活性種の生成によって生じる着火促進効果を観察し,構築した化学反応モデルによるシミュレーションと対応づけることでモデルの検証が可能となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
構築したモデルの検証方法については未知の部分が多く,現在構築中の方法による具体的な検証には至っていないが,当初予想した困難な部分,具体的には,圧縮装置内部の流動性の制御について様々な工夫の結果目処が立ったことから,概ね順調と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
急速圧縮装置へ放電機構を組み込み,空間的制御をしながら実験的検証を行う.また,モデルの改良をすすめ,総合的なシミュレーションが可能なようにしていく.
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Causes of Carryover |
本年度に使用するシミュレーションソフトウエアのライセンス料が予定より高額となったため,別途導入予定のソフトウエアを次年度配分と合わせて導入する予定のため.
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Research Products
(1 results)