2020 Fiscal Year Research-status Report
Heat Transfer Characteristics of Helium Gas in Narrow Channel Concerning with Integrity of ITER Blanket
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18K03979
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
劉 秋生 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (80294263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴原 誠 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (70628859)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 対流熱伝達 / 狭隘流路 / ヘリウムガス / 非定常熱伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,核融合炉のブランケットの健全性を確保するため,ヘリウムガス冷却ブランケットに着目し,その狭隘流路における定常・非定常熱伝達特性を解明することを目的に,細い内径をもつ円管流路における対流熱伝達に関し,実験と解析を行う。今年度では,内径0.8 mmの細管発熱体を用い,細管流路内の定常・非定常熱伝達現象を解明するため,発熱量が指数関数状に増加する場合の強制対流熱伝達実験を行い,広範囲において過渡対流熱伝達実験データを取得した。また,細管流路内の熱伝達について,数値解析を行い,実験データとの比較検討を行った。 実験データは,系圧力が492~535 kPa,ガス温度が287 K,流速が102 m/s~155 m/s,発熱率の増加する時定数(あるいは発熱量増加周期)が150 ms~15.0 sの条件下で収集した。具体的に以下の研究結果を得た。(1) 時定数が約1 sより大きい領域では,熱伝達過程が準定常熱伝達にある。時定数が約1 sより小さい領域では,時定数が小さいほど熱伝熱係数が多く増加することが判明した。(2)従来の円管流路におけるGnielinskiの経験式と比較すると,本研究の狭隘流路のほうは熱伝達が向上したことが判明した。(3) 直径1.8 mmの熱伝達係数より,0.8 mmの細管における熱伝達係数が増加したことが解かった。(4) 種々流速におけるヌセルト数とフーリエ数を求め,その関係を明らかにした。(4) 内径1.8 mmの数値解析では,実験値と解析値の定常熱伝達係数は約6%以内で一致し,解析モデルが妥当であることが判明した。今後実験データを広範囲において取得し,円管直径,円管有効長さなどによる熱伝達特性の影響を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
直径の細い細管発熱体の製作において繊細な溶接が極めて困難であり,失敗を重ね試験部の調整に時間がかかったことが影響した。また,コロナ禍により人の「三蜜」を避けるため,複数の人による実験の回数を制限していた期間もかなりあった。今現在,実験方法を改善しつつ,やや遅れがあるが,着実に進める予定である。それらの研究成果をまとめて,雑誌論文と国際学会の講演論文として発表される予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後,令和2年度の研究内容に続き広範囲における実験データの収集と数値解析を行い,狭隘流路における過渡熱伝達のメカニズムを明らかにする。
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Causes of Carryover |
昨年度では,予定していた国際会議はオンライン開催となったことから,研究費の一部が翌年度に繰り越すこととなった。 (使用計画) 翌年度の研究費と合わせて成果発表のための旅費や実験計測用品及び実験消耗品などの購入に当てることを計画している。研究計画に特に変更がない。
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Research Products
(9 results)