2021 Fiscal Year Research-status Report
Systematic contraction of chain reaction mechanisms and combustion control
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18K03980
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三好 明 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (60229903)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 反応機構簡略化 / ランピング / 着火遅れ時間 / 燃焼詳細反応機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
炭素中立化への方向性が明確に示された現在,様々なバイオ燃料や,余剰電力から生産することのできる合成燃料の利用が検討されており,燃焼技術にはこれまでの化石燃料に限らない,多様化した燃料への対応技術が求められている.近年の燃焼技術,特に燃料の特性を反映した燃焼モデリングにおいては,詳細反応機構を考慮する必要が増えている.計算機性能の向上により従来よりもすぐれた詳細化学反応モデルの開発が可能である一方で反応モデリングに必要な計算コストも増加する傾向にある.計算コスト削減のためには詳細反応機構の簡略化が有効であると考えられている.簡略化には多くの手法が提案されているが対象とする現象や条件によって適用される範囲が限定されている.異性体などの比較的構造の似た化学種を一つにまとめて仮想的な化学種として取り扱うランピング法が注目されているが,実用化されているランピング法は制限が多く削減には限界がある.炭化水素燃料の燃焼では,低温酸化反応による連鎖分岐反応が起こる中で,多くの類似した異性体が存在している.本研究ではオクタン価を決める標準燃料である炭化水素燃料PRFおよびこれにトルエンを混合したTRFに対してDRG法,DRGEP法などを用いた削減を行った後,ランピング手法と最適化手法を適用して更なる削減を行った.削減した反応機構について,詳細反応機構と比較し評価を行った.これらの結果, 以下のような結論を得た. 1. DRG法などは複数回の実行により補償効果が働くために、より効果的な簡略化の手法となりうるが,モデルの劣化も懸念される. 2. ランピング手法は類似中間体化合物の多いPRFでは有効であったが,トルエンを含むTRFではその効果は限定的であった. 3. 以上の手法を適用した簡略化モデルは,元の反応機構に対して検証範囲内において着火遅れ時間の温度・圧力変化を再現することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予想とは異なる結果も多く得られているが,おおむね目標としたレベルの成果は得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までの研究で,既存手法の問題点・利点などは明確にされ,重要な化学種は特定できているが,ランピングする方法論が系統的には得られていない.最終年度である次年度はその解決を目指す.
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Causes of Carryover |
学会出張費が不要となったことにより次年度使用額が生じた.次年度請求助成金とあわせた次年度使用額分は,計算機設備とソフトウェアの導入に充てる予定である.
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Research Products
(2 results)