2018 Fiscal Year Research-status Report
Study on volumetric ignition using laser breakdown-assisted long-distance discharge
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18K03992
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
秋濱 一弘 日本大学, 生産工学部, 教授 (30394547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 和也 日本大学, 生産工学部, 助手 (40803953)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 火花点火機関 / 点火 / レーザー / 火花放電 / レーザーブレイクダウン / 燃焼 / 内燃機関 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、火花点火ガソリンエンジンの希薄燃焼限界などに代表される燃焼性能を大幅に向上させる広域・同時点火方法(体積的点火)の実現を目的としている。レーザー誘雷のように、レーザー誘起ブレイクダウンをトリガーとして長距離放電を形成させ、放電路に沿った“線状”あるいは“筒状”の広域火花点火を実現させる(レーザーブレイクダウン支援長距離火花放電点火)。本手法を、LBALDI (Laser Breakdown Assisted Long-distance Discharge Ignition) と呼んでいる。この広域点火により、従来のスパークプラグのような点状の点火の限界をブレイクスルーし、初期火炎核のサイズを飛躍的に大きくすることで点火性能の大幅改善に貢献することが狙いである。 レーザーブレイクダウン支援長距離火花放電のメカニズムと制御法は不明な点が多い。またその点火燃焼特性も未知である。特に放電電圧印加方向とレーザー照射方向との角度依存性は分かっていない。レーザーブレイクダウンで発生する衝撃波やプラズマ成長方向と電圧印加方向の最適化によって、さらなる長距離放電が期待できる。そこで平成30年度(1年目)は,大気圧場での実験を行った。特に最大放電距離に関してレーザーと電場印加の角度を40、90、140°と変化させ、角度依存性を測定した。その結果、90°が最も放電距離が長く20mmに達した。通常の放電では9mmであり倍以上に放電距離が伸びた。またレーザーと電場印加角度を30°とした場合の高速度シュリーレン観察を用い,レーザーブレイクダウンで発生する衝撃波やレーザープラズマ成長方向と火炎核形成の様子を捉えることに成功した。通常の点火に比べ、火炎核が飛躍的に大きく、火炎面曲率が小さいことによって初期火炎伝播速度が速いことも分かり、当初の狙いが実現されていることを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、大気圧場での実験において最大放電距離に関してレーザーと電場印加のなす角度を変化させて、角度依存性を測定した。その結果、90°が最も放電距離が長く20mmに達した。通常の放電では9mmであり倍以上に放電距離が伸びて、最適角度が90°である事が新たに分かった。またレーザーと電場印加角度を30°とした場合の高速度シュリーレン観察を行い、レーザーブレイクダウンで発生する衝撃波やレーザープラズマ成長方向と火炎核形成の様子を捉えることに成功した。通常の点火に比べ、火炎核の大きさが飛躍的に大きく、火炎面曲率が大きいため初期火炎伝播速度が速いことも分かり、当初の狙いが実現されていることを実証した。ただし,この時のレーザーと電場印加の角度は30°である。角度依存性測定から得られた90°の高速度シュリーレン観察実験も必要と考えられ、次年度にて実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、レーザーと電場印加の角度として90°が適している事を提示した。また角度30°において、高速度シュリーレン観察を用い、レーザーブレイクダウンで発生する衝撃波やレーザープラズマ成長方向と火炎核形成の様子を捉えることに成功した。ただし、この実験は、レーザーと電場印加角度は30°である。角度依存性測定から得られた結果の適した角度90°での高速度シュリーレン観察実験も必要と考えられ、まずは、実験のしやすい大気圧場にて、次年度追加したい。特に燃料を変えて、初期火炎の曲率が火炎伝播速度に及ぼす影響を変化させることで、本研究のLBALDIによる広域点火(初期火炎核曲率が大きい)の優位性を実証したい。大気圧場において基礎的なメカニズムを詳細に把握することを優先させたいと考えている。一方、高圧場実験は、大気圧場にて十分な基礎データが得られた後と考えている。高圧を扱う安全面の観点からも高圧場実験には慎重な準備が必要である。計画を優先せず、安全を優先させ実施する。
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Research Products
(5 results)