2020 Fiscal Year Annual Research Report
Release from trade-off between Seebeck coefficient and electrical conducitivity by hybrid thermoelectric structures with dielectric materials
Project/Area Number |
18K04000
|
Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
篠原 嘉一 国立研究開発法人物質・材料研究機構, エネルギー・環境材料研究拠点, 副拠点長 (70343853)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 熱電材料 / 誘電体 / ハイブリッド |
Outline of Annual Research Achievements |
熱電材料の発電性能はゼーベック係数の二乗と電気伝導率の積で表され、この積が高いくなると発電出力が高くなる。しかし、ゼーベック係数はキャリア濃度が高くなると低くなり、電気伝導率は逆に高くなる。ゼーベック係数と電気伝導率はトレードオフの関係にあり、キャリア濃度の最適化で出力因子を最大化することはできる。しかしゼーベック係数と電気伝導率を独立に制御して、出力因子を飛躍的に増加させることはできない。そこで本研究では、高比誘電率の電気伝導性材料を活用して、電気伝導を担う高比誘電率の電気伝導性材料と熱起電力を担う高ゼーベック係数の熱電材料を組み合わせたハイブリッド材料を創製し、トレードオフの呪縛から熱電材料を解放する学理を新たに見出すことを目的とする。 昨年度は、誘電体であるP添加Si層が導電体であるNb添加TiO2層がよりも十分に厚い場合に、熱電特性(ゼーベック係数と電気伝導率)が複合則から外れることを見出した。今年度は複合速から外れる現象について検討を加え、さらに実用的な熱電材料への適用を試みた。その結果、誘電体とのハイブリッドでは温度差を与えて時間経過すると起電力が減少する傾向が見られ、電荷分離伝承による焦電効果の可能性が示唆された。そこでSi系熱電材料に金属粒子を混ぜたハイブリッド材料を作製し、熱電効果におけるハイブリッド化の影響を検討した。金属粒子分散は電気伝導率の改善効果が大きいのに対してゼーベック係数の低下は少なく、出力因子が2倍近く向上した。ハイブリッド化で熱電出力因子が改善できることを確認した。
|
Research Products
(4 results)