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2018 Fiscal Year Research-status Report

Phased-array lader with variable-frequency liquid antenna

Research Project

Project/Area Number 18K04005
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

野田 堅太郎  東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特任助教 (00547482)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
KeywordsMEMS / フェイズドアレイ / ロボットセンサ / 液体アクチュエータ
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、誘電体材料として液体を使用した可変周波数アンテナアレイを実現する。各アンテナの形状を動的に変形することで位相差を連続的に変化することで、ミリ波を空間上の任意位置に出力することが可能なフェイズドアレイの実現を目指す。
初年度は、フェイズドアレイを構成する各可変周波数アンテナの駆動範囲を向上するため、アンテナを構成する液体アクチュエータの変形量を増加する方法に関する研究を行った。
この研究では大変形可能な液体アクチュエータを実現するため、アクチュエータを構成する液体を加熱することで粘度を低減した。液体は、アクチュエータを形成した基板の裏面に透明・高抵抗の電極を用いて形成した抵抗線ヒータを用いて加熱している。静電気力に対する液体の変形量は粘度に依存するため、液体の粘度を低減することで変形量を向上できる。
ヒータを用いて基板・液滴を加熱した際の電力と基板内の温度の関係を計測したところ、ヒータは 1.4 Wの電力を加えることで最大 110 度まで昇温することが可能であり、ヒータ直上にある液滴を昇温できることを確認した。試作したヒータつき液体アクチュエータの性能を確認するため、液体アクチュエータを用いた可変焦点レンズを試作し、昇温による焦点距離の変化量、すなわちレンズの変形量を計測・評価した。室温に取り置いた液体レンズとヒータによって 60 度まで昇温した液体レンズの焦点距離・静電容量の関係を比較したところ、液体温度を昇温することで焦点距離を110 mm~ 160 mm まで 1.5 倍変形可能であり、昇温によって液体レンズの焦点変化量を向上できることを確認した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の今年度予定では、フェイズドアレイアンテナの土台となる液体アクチュエータアレイの試作、ならびに液体アクチュエータアレイ上にアンテナを形成した場合の電波特性の計測を行う予定であったが、事前の試算の結果従来型の可変周波数アンテナの周波数変化領域では十分に電波の干渉を引き起こすことが難しい可能性があるという試算結果を得た。そこで、フェイズドアレイセンサの設計・試作を進めるために、研究計画の順序を入れ替え、まず大変形が可能な液体アクチュエータに関する研究を前もって行うこととした。アクチュエータ形状がアンテナの周波数特性に大きな影響を与えることが予想されたため、温度変化によって液体の粘性を変えるという、アクチュエータの形状を変えることなく、動作特性のみを向上することが可能な方法を選択した。抵抗線を用いた薄膜ヒータが液体温度を制御するに足りることも確認することができ、フェイズドアレイを試作するために必要となる、従来以上の性能を実現可能な液体アクチュエータを試作することができたと考える。この結果を応用し、フェイズドアレイアンテナ全体を昇温することが可能な抵抗線設計を行い、アレイアンテナを昇温することによって、波面制御を実現するために必要となる周波数変化・制御が可能となることから、本年度の成果は今後の研究を推進する上で非常に有意義な想定以上の成果であったと考えられる。一方で、当初予定であったアンテナのアレイ化や特性評価までには至らなかったため、全体として、研究計画は「おおむね順調」に進んでいると考える。

Strategy for Future Research Activity

次年度には、液体アクチュエータとアンテナを組み合わせた構造の周波数特性・変化特性を計測・評価し、また当初予定の通りにアレイ配置したアンテナの周波数特性・変化特性を計測・評価する。アンテナアレイの駆動に利用する電極やヒータ電極などがアンテナの周波数特性・変化特性に与える影響を計測し、その結果を元にフェイズドアレイ構造の設計を進める。またアレイ状に並べた複数の液体アクチュエータを同時に駆動し、制御するために液体アクチュエータの静電容量の同時計測回路の試作、静電容量に基づいた周波数制御方法に関する研究を進める。
これらの成果を活用し、最終年度にはフェイズドアレイを評価するための波面形状を 3 次元的に計測するための計測装置の試作、ならびにフェイズドアレイアンテナの波面形状・制御特性の計測・評価を進め、連続周波数変化を利用したフェイズドアレイアンテナの試作・評価を行うこととする。

Causes of Carryover

当初、今年度中に行う予定であった技術試験場でのアンテナの周波数計測試験を次年度以後に行う予定に変更したため、必要雑品の購入・装置利用費・旅費などが減少し、次年度使用額が生じた。アンテナの集積作業までは進まなかったものの、アンテナのコア技術である液体アクチュエータの同作業を大幅に向上することができており、次年度には複数アンテナアレイの試作・評価を行うために使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2018

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] ヒータによる可変焦点液体レンズの焦点距離変化量向上2018

    • Author(s)
      野田 堅太郎
    • Organizer
      「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム

URL: 

Published: 2019-12-27  

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