2018 Fiscal Year Research-status Report
Individual Adaptive Shared Control for ADAS Based on Systematic Risk Predictive Knowledge
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18K04006
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
ポンサトーン ラクシンチャラーン 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30397012)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 自動車 / 予防安全 / 運転支援 / リスク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、自動車交通事故を効果的に削減する目的で、自動車の運動力学という物理モデルと人間行動状態のリアルタイムセンシングと人工知能による交通文脈理解といった情報科学的モデルの融合的なアプローチで、事故予防メカニズムにつながるリスク予測知識基盤構築を学術的に見出すものである。 平成30年度では、潜在リスクの客観的指標の検討をはじめ、東京農工大学スマートモビリティ研究拠点 の所有するヒヤリハットデータベースについて詳細分析を行い、「衝突を回避するためにドライバが回避行動を取ることができる余裕時間」をセーフティ・クッション・タイムとして定義し、この指標による潜在リスクの評価と走行環境に関するアノテーションの設定を行った。また、セーフティ・クッション・タイムを目的変数に、自車の運動状態と走行環境文脈に関するアノテーションを説明変数とする教師データを作成し、自転車との出会い頭衝突リスクを推定する線形重回帰分析を行い、自車と自転車の運転行動状態が出会い頭衝突リスクに強く影響するという知見が得られた。また、車両走行データを分析し、自車の運転行動状態と走行環境文脈が事故リスクに与える影響について検討した。推定した出会い頭衝突リスクレベルに応じて目標速度を算出し、交差点進入前にあらかじめ減速する速度制御系を検討した。また、シミュレーションによって、提案したシステムは、推定されたリスクレベルに応じて減速量を決定することが可能であり、自転車飛び出しに対する衝突回避性能を向上できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は出会い頭衝突事故リスクの形成過程の基盤研究であり、その一環として平成30年度では潜在リスクレベルの定量化手法について提案することができたことと、そのリスクレベルに応じて減速量を決定することが可能になり、自転車飛び出しに対する衝突回避性能向上効果を確認できたことから、リスク予測知識の基盤研究としておおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として以下のものが挙げられる。 (1)推定モデルの再検討 本稿では、自車の運転行動状態と走行環境に基づき、数秒後に自転車が飛び出してきた場合の事故に対する時間的切迫度としてセーフティ・クッション・タイムを推定するモデルを構築した。しかし、自転車が飛び出してくるタイミングやそのときの自車速度は推定が困難であり、本稿で構築した推定モデルでは十分な推定精度を得られなかった。そこで、「数秒後に自転車が飛び出してきた場合の事故リスク」ではなく、「直後に自転車が飛び出してきた場合の事故リスク」または「自転車が飛び出すか否か」を目的変数とした推定モデルを構築することで、推定精度を向上させることができると考えられる。 (2)自転車の運転行動分析 本稿で用いた説明変数は、自車の運転行動状態と自車周辺の走行環境に関する要素のみで構成されており、自転車の飛び出しタイミングなど、自転車の運転行動に関する要素が含まれていない。そこで、交差点における自転車の運転データを分析し、自転車の運転行動に影響を与える要素を説明変数に加える必要があると考えられる。
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Research Products
(1 results)