2018 Fiscal Year Research-status Report
屈曲と伸縮が可能な索状機械システムの複雑環境における超冗長制御
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18K04011
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
田中 基康 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (50633442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有泉 亮 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (30775143)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヘビ型ロボット / 索状ロボット / 冗長性 / 伸縮 / 超冗長 / 複雑環境 / 拘束変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヘビやミミズのような細長い索状の生物は,手足がないにもかかわらず巧みで多様な振る舞いを見せる.本研究ではヘビやミミズのような索状生物の伸縮と屈曲を伴う移動の定式化を行い,屈曲と伸縮が可能な索状機械システムの制御方法の確立を目指す.本年度は伸縮・屈曲索状ロボットのモデリングと冗長制御方法,検証実験のための実機開発について検討を行い,以下の研究成果を得た. 環境との拘束条件が変化しない場合の制御対象について,多リンクモデルに基づき対象の運動を表す2つの数式モデルを導出した.1つは伸縮に起因する冗長性を空間のまま扱うモデルで,もう1つは伸縮量を直接被制御量に導入するモデルである.導出した2つのモデルに基づき,伸縮に起因する冗長性を利用できる制御方法を提案し,シミュレーションによりその有効性を検証した.提案制御測とシミュレーション結果は次年度国内学会にて発表予定である. また,連続体に基づく方法として,連続曲線へのフィッティングを用いた制御方法を提案し,シミュレーションにて検証を行った.その知見を応用した多連結移動ロボットの管内移動について学術雑誌(国際)に投稿中である.管内移動では胴体を押し付けて滑落を防ぐ部分を収縮部,曲管等に合わせて屈曲を行う部分を伸長部として連続体で表現し,直管と曲管で構成された管内の移動を実現した. 検証実験のための実機については,基礎検討として大きな伸縮量を実現する索状ロボット用の伸縮ユニットの試作を行い,国内学会にて発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
制御方法の提案については,概ね順調である.提案制御方法についてシミュレーションを用いた検証は実施したが,実機を用いた検証実験が未達成である.これは,検証実験用の伸縮・屈曲が可能な索状ロボットの開発が遅れているためである.大きな屈曲量と大きな伸縮量とを両立する必要があるが.基礎検討として開発した伸縮ユニットは屈曲量が犠牲になっているため,更なる改良が必要である.
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度までの未達成内容について実施する.次年度以降の研究計画には,「可変拘束機能をもつ伸縮・屈曲索状ロボットのモデリングと超冗長制御方法」「実機検証と生物の運動知能の考察」を挙げている. 「可変拘束機能をもつ伸縮・屈曲索状ロボットのモデリングと超冗長制御方法」については,複雑環境による受動的拘束変化,ロボット本体による能動的拘束変化を考慮した場合の制御対象について,拘束変化を陽に考慮した可変拘束冗長システムとして数式モデル化を行う. 「実機検証と生物の運動知能の考察」については,複雑環境での検証実験を行うために伸縮関節および屈曲関節をもつ索状ロボットの開発を行う.開発ロボットには必要に応じて各種センサを搭載し,提案した制御測を実装する.そして提案制御方法の実機検証実験を行う.
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Causes of Carryover |
検証実験に用いる実機開発が遅れたために次年度使用額が生じた.次年度使用額については,今年度の未達成内容である実機開発を行うために用いる.
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