2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of an amplitude-modulated active mass damper
Project/Area Number |
18K04014
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小松崎 俊彦 金沢大学, フロンティア工学系, 教授 (80293372)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 動吸振器 / 振幅変調 / 制振 / 振動工学 / 能動制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,機械構造物の制振装置として知られる動吸振器を機械的かつ能動的に駆動する際の制御信号に振幅変調を適用することで,従来設計方法の限界を超えた超小型・軽量な可動質量を備える振幅変調駆動型アクティブマスダンパを開発し,制振性能を検証することを目的とする.小質量による制振力の不足を補うために,振幅変調の施された高い振動数の搬送波信号で可動質量を強制駆動することによって加速度を増幅しつつ,搬送波と変調波の差周波数の慣性力成分を利用して,主構造物の共振周波数付近の振動抑制を図る. 平成30年度は研究の第1段階として,AM-AMDの動特性を表す理論式の導出と,それに基づく振幅変調駆動型動吸振器単体の動的応答を求めるための数値計算モデルを構築した.また,主系構造物と動吸振器とを組み合わせたモデルへと発展させ,外乱作用時の振動系の応答,制振効果を数値的に予測した.可動質量の大きさを基準としたときの,既存の受動型/能動型動吸振器による制振性能との比較により,本課題で提案する動吸振器の優位性を見出した.この際,搬送波周波数,信号の変調度,位相などの組み合わせを変化させ,制振効果を最大化しつつ,変調に伴って発生する差周波数以外の2成分が主系構造物の応答に及ぼす影響を回避するためのパラメータ条件を明らかにした.さらに,振幅変調駆動型動吸振器を試作し,動吸振器単体での動作試験を実施したところ,振幅変調された駆動信号に応じて,意図した周波数成分の加速度応答が動吸振器より得られることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度に検討を予定した理論式の導出,数値計算モデルの構築と応答予測,数値的評価の実施,小質量化の面での既存型動吸振器に対する優位性の確認等,おおむね計画通りに実施できた.また,提案する動吸振器を試作し,予備的ではあるが単体試験を実施した結果,完全ではないものの理論的に予測されたとおりの応答を確認しつつある段階に至っているので,本研究はほぼ順調に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画よりも若干早く製作・予備的評価を実施した振幅変調駆動型動吸振器の試作機について,平成30年度内に確認された問題点の解消を図るべく改良を施す.提案装置単体の基本性能評価試験として,DSPコントローラにて生成した振幅変調信号を,リニアアンプドライバにて増幅して可動質量を駆動し,振動応答の計測によって,意図した加速度を任意に生成できることを確認する.続いて制振対象の主構造模型を製作,提案装置と結合し,調和外力加振のもとで提案装置の制振性能を実験的に評価する.
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