2019 Fiscal Year Research-status Report
打音検査の打撃音を顕在化させる打撃法とモデル同定による欠陥形状推定法の確立
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18K04015
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| Research Institution | University of Fukui |
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Principal Investigator |
鞍谷 文保 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (00294265)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 達哉 福井大学, 学術研究院工学系部門, 講師 (20734544)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 打音検査 / コンクリート / 放射音 / 回転式打撃法 / 機械学習 / 周波数スペクトル / オーバーオール |
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| Outline of Annual Research Achievements |
打音検査はコンクリート構造物の点検に広く用いられているが，点検者の経験や感覚に依らない欠陥検出技術の確立が求められている。令和元年度は，教師なし機械学習で打音データからコンクリートの欠陥位置を検出する方法について検討した。具体的には，回転式打撃装置でコンクリートを打撃し，マイクロフォンで打撃音を測定する。その後，機械学習を用いて各打撃位置で測定された打音データを健全部と欠陥部のデータに分類することで，欠陥部を同定する。
最初に，教師なし機械学習法としてk-means法を適用した。入力データとして，オーバーオール値（打撃位置ごとの打撃音周波数スペクトルから算出したスカラ量）を用いた。k-means法の場合，あらかじめ分割するクラスタ数を設定する必要がある。そこで，適切なクラスタ数の設定法を提案した。健全部と欠陥部の打音データを分類する方法として，各クラスタに属するデータの平均値を計算し，最小平均値のクラスタに属する打撃位置を健全部とした。提案した方法を欠陥深さが異なる3種類のコンクリート試験体に適用した結果，ほぼ的確に欠陥位置を検出することができた。
次に，教師なし機械学習法として自己組織化マップ（SOM）を適用した。SOMでは，入力データはk-means法のようにスカラ量ではなく，ベクトル量として与えることができる。そこで，入力データとしてオーバーオール値を算出する前の各打撃位置の打撃音周波数スペクトルを用いた。その結果，k-means法より欠陥部の検出精度が向上した。理由として，k-means法で用いたオーバーオール値は打撃位置ごとの打撃音エネルギの違いを評価するが，SOMで用いた打撃音周波数スペクトルは打撃音エネルギに加え，打撃位置ごとの周波数特性の違いも評価することができるので，より的確な健全部と欠陥部の打音データの分類が可能になったと推察される。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度の研究目的である教師なし機械学習で打音データからコンクリートの欠陥位置を検出する方法については，欠陥深さが異なる3種類のコンクリート試験体に適用した範囲では，提案した方法で欠陥位置を精度よく検出することが可能である。したがって，おおむね順調に進展していると評価できる。
ただし，現在使用している回転式打撃装置は大型で，欠陥部を狭い間隔で打撃することが困難である。その結果，欠陥部の平面形状を正確に同定することができない。そこで回転式打撃装置を小型化し，欠陥部を狭い間隔で打撃可能な装置に改良する必要がある。
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| Strategy for Future Research Activity |
令和元年度の研究で，回転式打撃装置で得られた打音データから機械学習を用いて欠陥位置を検出することが可能となった。令和2年度の研究内容は，打音検査技術の有効性の検証と欠陥深さ推定法の提案である。
打音検査技術の有効性を検証するために，より複雑な欠陥形状を有するコンクリート試験体を製作し，欠陥位置の検出と平面欠陥形状推定法の検証に用いる。さらに，深さ方向の欠陥形状を推定するために，打撃音周波数スペクトルのピーク音圧値と欠陥深さとの関係を明らかにする。また，令和元年度に課題となった回転式打撃装置を小型化し，簡易に検査が可能な装置に改良する。なお，平成30年度に明らかにしたように，回転打撃部に対して適切な押付力を付与する必要があるので，小型化する回転打撃装置に押付力の調整および押付力判定機能を組み込む。
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| Causes of Carryover |
令和元年度の予算では，成果発表のための外国旅費および参加登録費を計上していたが，都合により出張を取りやめた（国際会議での成果発表は指導学生が行った）。これらの予算は，令和2年度に小型化する回転式打撃装置の開発費として使用する。
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Research Products
(5 results)
