2018 Fiscal Year Research-status Report
手動注湯に対する注湯状態推定と熟練注湯技能を再現する注湯制御システムの開発
Project/Area Number |
18K04016
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
野田 善之 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (60426492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 孝 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (10422809)
中山 栄浩 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40227971)
阿部 壮志 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (60756469)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 状態推定 / 注湯 / モデリング / 技能解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度では注湯状態推定システムを開発した。3Dスキャナーで取鍋内部形状を読み取り、3D-CADを用いて読み取った3D取鍋形状からモデルパラメータを自動で導出するシステムを開発した。従来、モデルパラメータの導出に3日程度を要していたが、2分以内でモデルパラメータを導出できるようになり、注湯状態推定システムに必要な注湯モデルを素早く構築できる環境が実現した。特に、今までモデルパラメータの導出が困難なために、注湯モデルを簡易モデルで表現していたが、本研究課題で開発した3Dデータからモデルパラメータを自動導出するシステムを用いることで、より精度の高いモデルの導出が可能になった。また、モデルパラメータ自動導出システムによって、複雑形状の取鍋に対しても注湯モデルの導出が可能になった。 そして、注湯モデルに基づき、カルマンフィルタを用いた注湯状態推定システムを開発した。取鍋傾動角度は姿勢角センサを用い、取鍋から流出する溶融金属の重量はロードセルを用いて計測し、その計測データを用いて状態推定を行った。取鍋傾動の状態推定は定常カルマンフィルタを用い、注湯プロセスの状態推定は拡張カルマンフィルタを用いることで、簡便かつ精度良く推定できることを確認した。また、赤外線カメラを用いて取鍋から流出する溶融金属の湯流れを計測できることを確認した。しかし、赤外線カメラで計測された溶融金属の温度が被計測物とカメラの距離に依存することが確認された。カメラ距離と温度の関係を明らかにし、計測温度を補正する手法を開発する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時には、2018年度に注湯状態推定システムを開発することを計画しており、注湯状態推定システムを実現したことから予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
赤外線カメラで取鍋から流出する溶融金属の軌跡を計測できることが確認されたが、赤外線カメラで計測される温度が被計測物とカメラの距離の影響を受けるため、カメラ距離に対する温度補正が必要である。また、2018年度に開発した注湯状態推定システムを用いて、2019年度は注湯技能を解析する予定である。
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Research Products
(6 results)