2018 Fiscal Year Research-status Report
Optimal Control with Multi-boundary Values for Underactuated Systems
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18K04032
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
早川 義一 愛知工業大学, 工学部, 教授 (60126894)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 劣駆動系 / 最適制御多点境界値問題 / クアッドロータ― / 卓球ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、非線形動特性を有する劣駆動の知能機械を対象に、絶対時刻制御を最適制御多点境界値問題として定式化し、システム制御論的な観点から生じる諸課題を理論と実機検証によって明らかにするものである。本年度の実績は以下の通りである。 課題(a):クアッドローター(運動自由度6、制御入力(プロペラ推進力)4)と空中を飛翔する卓球(運動自由度6、制御入力(ラケットインパクト)5)はともに劣駆動系であるが、クアッドローターの運動制御と卓球ラケットの打ち返しによる制球制御では本質的な違いがある。前者は関心のある運動期間中、常に制御入力を印加することができるのに対し、後者での入力印加はボールの打ち返し時の瞬間のみである。これら2種類の軌道制御問題を絶対時刻制御、最適制御多点境界問題、予測制御との融合問題として定式化し、その有効性をMATLABを用いたシミュレーションで確認した。今後、それら2種類の問題の一般的な定式化を試みる予定である。 課題(b):クアッドローターと飛翔する卓球という2種類の軌道制御問題に対する効率的な反復実時間解法を開発した。クアッドローターの運動制御では位置と姿勢に関する運動方程式の特徴を活かした線形近似の活用を行った。また、卓球ラケットの打ち返しによる制球制御では、空気抵抗による抗力とスピンによる揚力を無視した解析解に基づく逐次最小二乗法を用いたが、今後は抗力と揚力を考慮した微分方程式のオンライン近似解法を用いることを考えている。 なお、上記の実績はクアッドローターおよび卓球ロボットによる実機検証も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は3年計画で実施することになっており、研究計画の初年度の研究はほぼ予定通り達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定した研究計画の2年度をそのまま実施する。具体的には以下の通りである。 課題(c):クアッドローターの運動制御では位置(3変数)と姿勢(3変数)の計6変数の内、4変数のみが独立に制御可能である。しかも、その4変数の組合せは複数存在する。同様に、卓球ラケットの打ち返しによる制球制御では、ラケット打ち返し直後のボールの速度(並進とスピン)6変数の内、5変数のみが制御可能であり、その組み合わせは複数である。途中の通過点を複数もつ軌道制御問題において、独立に制御可能な変数の組合せ時系列と反復解法の計算負荷との関係を検討する。可能であれば、検討結果の普遍化を図る。 なお、研究実績の概要で記述した課題(a)、課題(b)についても改良の余地があるので、その点についても引き続き、研究する予定である。
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