2019 Fiscal Year Research-status Report
移動機構と柔軟地盤の相互作用の一般定式化ならびに最適化に関する実験的検証
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18K04038
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
大槻 真嗣 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (50348827)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | テラメカニクス / グローサ / 形状最適化 / 宇宙ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
月や惑星の表面探査で求められる自然地形の移動では,低重力に長期間置かれた柔軟地盤の特性等,地上実験で検証できない要素が多く,移動時に得られる反力や走行効率を数値計算により検証し,設計へ反映させることが重要である.本研究では,グローサ(突起)付車輪等の移動機構と柔軟地盤の新たな力学的相互作用モデルの構築とそれに基づくグローサ形状の準最適設計結果の妥当性を実験的に検証することを目的としている.特に,グローサ形状に応じてスリップ率と沈下量の関係が変化することから,従来から用いられてきたスリップ率-牽引力の相関では見出すことができなかった,沈下量-牽引力の相関を評価基準とした沈下量の少ないグローサ形状を獲得することを目指している.昨年度,申請者が導出した様々なグローサ形状の反力推定式から導出される,準最適な形状を持つグ ローサ付き車輪の沈下-牽引力の結果に関して,国際会議にて公表し,専門家からコメントを獲得し,また,関連する研究の調査を行った.本年度,得られた準最適な形状を持つグローサ付き車輪の設計製作を進めたところ,複雑な形状となるため,製造費用が非常に高額となることがわかった.そこで,車輪構造を支持構造(ジョイント含む)とグローサに分割して設計し直し,支持構造を製造した.一方,グローサは年度末に発注を予定していたが,製造にかかる時間等を鑑みて延期と判断し,2020年度当初に製造を進めることとした.また,一般的なグローサも合わせて比較評価するために,3Dプリンタ等で最低限の強度を維持したグローサを作り,取り付けることを計画している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本務の作業量が集中,特にプロジェクト審査対応等を行わなくてはならなくなっているため,研究に充てる時間が削られている.また,設計したグローサ付き車輪の外注見積もりを行ったところ,複雑な形状なため,想定より高価となり,設計変更ならびに製作方法の再検討が必要となったため.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度と同様,実験装置の設計以外の作業を可能な限り外注することで,研究を効率的に進める.また,外注で高価になる部分は,3Dプリンタ等を購入し,必要な部品,機能を内製することで,費用を可能な限り抑えるように努める.
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Causes of Carryover |
本務の作業が集中し計画に遅れが出ているため,次年度使用が生じたが,2020年に研究を進めるうえで必要な作業の外注費,可能な限りの内製等で有効に使用する予定である.
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