2019 Fiscal Year Research-status Report
Innovative ride comfort control of high function mobility considering stress and emotion
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18K04058
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
加藤 英晃 東海大学, 工学部, 講師 (90734476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 正敬 東海大学, 工学部, 助教 (90733717)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 乗り心地 / 生理指標 / 超小型モビリティ / アクティブシートサスペンション / 生体計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は生体情報を用いて乗員の心理状態をリアルタイムに推定し、その情報に基づき適切な乗り心地を維持できるよう振動制御する「乗り心地制御システム」を提案している。このシステムでは座席部にアクティブシートサスペンションを搭載し、乗員に伝わる振動の制御を行う。アクティブシートサスペンションでは乗員へ伝わる振動の低減だけでなく、状態に応じて振動を加えることも可能である。自動車の様々な振動が乗員の心理状態に及ぼす影響を把握した上で、時々刻々と変化する乗員の心理状態に対して良い乗り心地を維持するための振動制御システムをさらに発展させ、より快適かつ低ストレス状態で乗車可能な高機能アクティブ振動制御システムの実現を目的とし、本年度は以下の項目を実施した。 1、2自由度アクティブシートサスペンションの振動制御システムの構築を目指し、3つのアクチュエータを備えた新しいアクティブシートサスペンションの設計を完了した。アクチュエータとしてボイスコイルモータを用いることから、前年度に実施した電磁界解析ソフトウェアを用いた解析により構築した指針をもとに設計を行った。また、現有のアクティブシートサスペンションの自由度を増やすため、上記設計をもとに2つのアクチュエータの製作を行った。 2、前年度から継続的に、新たな乗り心地評価手法の構築するため、脳血流、連続血圧、表情筋、皮膚電気反応、心電図を計測し、加振実験を行い、加速度、周波数による各指標の変化について実験を行った。実験終了後、実験協力者に対して乗り心地に関するアンケートを行い、主観的評価と生理学的評価の両面から考察を行った。これに加えて本年度は、これらのデータを分析する統計的な手法を利用し、各生体情報の振動に対する反応と主観評価を総合的に解析した。実験協力者の主観的な評価を各生体情報から推定することが、限られた条件ではあるが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1、前年度に構築した電磁界解析ソフトウェアを用いたボイスコイルモータの設計指針を活用し、新たな装置の設計を完了することができた。なお、新しく製作予定の上下方向と前後方向の乗り心地を改善するアクティブシートサスペンションには現有を含め3基のボイスコイルモータをアクチュエータとして設置する。新たに製作する2基のボイスコイルモータの製作まで完了した。 2、本研究で提案する快適かつ低ストレス状態で乗車可能な高機能アクティブ振動制御システムを実現するためには、疲労に結実する「ストレス」と快感・不快感を司る「情動」を指標とする新たな乗り心地評価手法の構築が不可欠である。本年度は前年度から継続して、実験協力者に現有のアクティブシートサスペンションに着座させた状態でボイスコイルモータから振動を発生させ、各生体信号と主観評価を採集した。複数の生体情報から事件協力者が感じている主観評価を推定する手法を限られた条件の範囲ではあるが、構築することができた。 以上の成果から本申請の研究は概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度の成果を踏まえ、次年度は以下の項目について検討を進めていく予定である。 1、『多自由度振動に対する心理特性を評価』前年度に設計したモータを用いて、2自由度アクティブシートサスペンションを製作する。これによる多自由度振動による生体計測の分析を行う。分析では前年度に構築した解析方法を参考とする。なお、振動と各種生体計測の関係性を把握するために走行は行わず、加振のみで評価を行う。 2、『運転環境を考慮した評価』超小型モビリティの走行で想定される快適、不快感に変化が起こる状況を想定し、実験を継続して進める。前年度に限定的にではあるが得られた、主観評価を生体計測指標から推定する手法をさらに拡張し、より実際の運転中を想定した評価指標を構築する。
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Causes of Carryover |
新規購入したモータが予算よりも安価に製作することができた。一方、装置構築にはまだ、消耗品などが購入できておらず、次年度に使用する予定である。
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Research Products
(28 results)