2019 Fiscal Year Research-status Report
Locally operated guiding tool manipulator for accurate surgery
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18K04065
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
河合 俊和 大阪工業大学, ロボティクス&デザイン工学部, 教授 (90460766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 敦 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (20283731)
西澤 祐吏 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 室長 (50545001)
中村 達雄 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 准教授 (70227908)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 医用ロボット / 第三の手 / マニピュレータ機構 / ローカル操作 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,執刀医が患者の傍で微細作業できる小型で分散可能なローカル操作マニピュレータシステムの実現を目指して,ヒトと共存協調するマニピュレータの機構や制御に関する基盤技術を確立すべく,ローカル操作ガイディング術具マニピュレータの構築と評価を目的としている.本年度は,初年度の成果を基にマニピュレータ機構や操作インタフェースに改良を施して,以下の成果を得た. (1)円環2軸ガイドレールと直動ガイドローラの閉ループ構造を備える蛇管ワイヤ駆動式の3自由度鉗子マニピュレータの二次試作機を開発した.機構特性を確認して医師による臓器モデルを用いた評価実験を実施し,極座標系の全周および半周レールと各スライダで円環2軸にガイドし,従来鉗子を複数ローラと伸縮スライダで直動1軸にガイドする閉ループ3自由度機構の特性と課題を明らかにした. (2)鉗子動作をガイドするピボット拘束具のジンバルとマニピュレータの平行リンク機構でピボット点が一致する閉ループ構造を備える3自由度鉗子マニピュレータの二次試作機を開発した.機構特性を明らかにし,医師が手動およびon/off操作で臓器モデルをハンドリングしながらスムーズに剥離切開できることを確認した.また,鉗子の軸まわり回転と把持の2軸を追加した,左右組み換え可能な機構を有する5自由度鉗子マニピュレータを開発した. (3)外部デバイスを用いない操作インタフェースとして,Lab色空間の色相と明度を活用して内視鏡画像に映る術具を検出する画像認識手法を構築し,実際の手術映像に適用して術具の認識率と処理時間を計測した.また,臓器の牽引時に表れる複数の直線と,手術器具を簡単化した複数の楕円の交差から,臓器を牽引する手術器具を検出する手法を構築し,手術映像に適用して検出率と処理時間を計測した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
術具マニピュレータについて,円環2軸ガイドレール直動ガイドローラ型は,二次試作機の開発と医師の評価実験が実施できた.また,昨年度から新たに着手したピボット拘束具を備えるジンバル平行リンク型は,二次試作を開発し,医師の評価実験を通じて有用性を確認できた. 操作インタフェースについては,画像処理方式の開発と評価実験が実施できた. 以上より,当初の計画におおむね沿った進展となった.
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Strategy for Future Research Activity |
術具マニピュレータについて,鉗子挿入軸の機構改良を実施し,可動範囲を小さくできる差動機構を開発する.また,アクチュエータ種類の変更に着手し,DCサーボモータ駆動からステッピングモータ駆動への展開を図る. 操作インタフェースについて,ジャイロセンサなどを活用する直接入力方式を新たに考案する.また,画像処理方式では術具と臓器のセグメンテーション手法の構築を進める. 研究成果は,国内外の学術会議などで積極的に発表し,また,関連分野の研究者と議論した意見も真摯に取り入れ,研究分担者と協同して効率的に研究を推進する.
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Causes of Carryover |
(理由) 評価実験に係る旅費と消耗品費を抑制できたため. (使用計画) マニピュレータ機構や操作インタフェースの設計試作,および制御系構築と評価実験の実施に関し,機械電子の部品や材料,手術機材などの物品費に充当する.また,研究の打合せや成果発表など旅費に充当する.繰越し予算はとくに評価実験の充実に活用する.スピード感を持って本研究を推進するため,上記以外の経費が生じた場合にも,研究計画に変更が出ないよう対応する.
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