2019 Fiscal Year Research-status Report
Stimulus Response Mechanism on Plants Using Pulsed Electric Fields (Focusing on photosynthesis and phytohormone)
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18K04082
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
王 斗艶 熊本大学, パルスパワー科学研究所, 准教授 (30508651)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 植物光合成 / パルスパワー / パルス電界 / リーフレタス |
Outline of Annual Research Achievements |
リーフレタスに対して、葉部へパルス電界を印加した際に起こる植物光合成への影響調査を行った。先行研究において、パルス電界印加前のリーフレタスの光順応状態が結果に影響することを得ているため、2019年度は、光順応状態を「暗順応」と「暗順応」の両方について調査した。光合成活性反応に関しては、チラコイド反応とストロマ反応(カルビンサイクル)における電子伝達速度ETR、非光化学消光NPQ 、蒸散速度E、炭素固定速度Aに与える影響を調査した。その結果として得られた知見を以下に示す。 (1) 暗順応処理下においては、電子伝達速度ETR の有意な増加と非光化学消光NPQ の有意な減少から、電界強度0.1 kV/cm、 繰り返し周波数1 kpps で光合成パラメータが活性され、生長促進の可能性が示唆された。また電界強度1 kV/cm、 繰り返し周波数1 kppsでは電子伝達速度ETR の有意な減少と非光化学消光NPQ の有意な増加を確認したことから生長阻害の可能性が示唆された。 (2) 明順応処理下においては、炭素固定速度A、電子伝達速度ETR の有意な増加から、電界強度0.1 kV/cm、 繰り返し周波数1 pps で光合成パラメータが活性され、生長促進の可能性が示唆された。また電界強度0.8、 1.0 kV/cm、 繰り返し周波数1 pps、 1 kpps では非光化学消光NPQ の有意な増加を確認したことから生長阻害の可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、光合成活性反応に関しては、チラコイド反応とストロマ反応(カルビンサイクル)における電子伝達速度ETR、非光化学消光NPQ 、蒸散速度E、炭素固定速度Aに与える影響を調査した。その結果、パルス電界を印加する際、光順応状態が異なることで植物光合成のストレス応答が変化することを見出し、それぞれの順応状態におけるパルス電界の最適印加パラメータを見積もることができた。 以上より、2019年度の進捗状況として、おおむね順調に進展していると判定する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、2019年度に得られた明順応と暗順応やパルス電界強度、繰り返し周波数の組み合わせに着目し、最適なパルス電界印加条件の模索を行う予定である。 また、パルス電界印加直後の一時的な光合成変化の調査に加えて、レタス栽培期間中に継続的にパルス電界を印加することで、収穫時における生育結果を評価する。このことにより、実用化を目指した長期的なストレス応答反応を評価することが可能となる。
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Causes of Carryover |
物品費および旅費として計上していた予算のうち、購入予定物品および旅費の一部を他の予算(共同研究)により賄ことができたため、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(30 results)