2019 Fiscal Year Research-status Report
三相３線並列部三相４線直列部を持つマトリックスコンバータ方式統合電力潮流制御装置
| Project/Area Number |
18K04083
|
|---|
| Research Institution | Kagoshima University |
|---|
Principal Investigator |
山本 吉朗 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (70220457)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 篤志 鹿児島大学, 理工学域工学系, 助教 (90807794)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
| Keywords | ）マトリックスコンバータ / 統合電力潮流制御装置 / 不平衡電圧補償 / 電力制御 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は，まず，提案装置を用いて電力潮流制御と1線電圧低下補償の同時制御についての検討を行い，送電端電圧が1線電圧低下を起こした状態でも，低下した電圧を補償しながら，指令値通り受電端有効電力を制御できることをシミュレーションによって示した。このことについては2019年電気学会産業応用部門大会において発表した。
さらに，遅れていた逆潮流時の回路動作の検討に関係して，配電系統のインピーダンスの影響について検討した。提案の統合電力潮流制御装置を配電系統の送電端，送電端と受電端の中間，受電端に設置した場合についてその影響をシミュレーションによって調べ，設置点を受電端側にするほど電力潮流制御が不安定になることを明らかにした。また，提案装置は線路の抵抗を推定して制御を行うが，短距離系統よりも長距離系統の方が系統抵抗の推定誤差が制御に与える影響が大きいことを明らかにした。これらについては2019年度電気・情報関係学会九州支部連合大会にて発表した。
また，三相電圧が不平衡に電圧低下を起こした場合であっても，受電端電圧を三相平衡の正常電圧に保ちながら受電端有効電力，受電端無効電力を指令値通りに制御できることをシミュレーションによって示した。このことについては2020年電気学会全国大会において発表した（新型コロナウィルス感染防止のため大会そのものは中止になったが原稿は受理，公開され発表したとみなされている）。
以上と並行して，実験装置の試作も進めた。当初の予定では令和元年度に試作を完了し動作確認までを終える予定であったが，現在までのところ実験装置の試作途中である。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では，令和元年度には，平成30年度のシミュレーション結果を基に，以下について達成することになっていた。
(e)提案装置の修正，変更や制御の修正，変更，制御ゲインの最適化等を行う。
(f)提案の統合電力装置の試作を行う。
(g)実験，シミュレーションによる試作装置の基本動作の確認，効率の測定，効率改善の検討，特性の調査を行う。
(h)提案装置の改良を行う。
しかし，スタートでやや出遅れており，シミュレーションでの検討の追加から開始したため，装置の試作に遅れがでてしまった。また，年度末にはコロナウィルス感染防止のために学生の活動も制限されてしまい，さらに遅れる原因となった。
|
| Strategy for Future Research Activity |
当初の計画では，令和2年度には，以下について達成することになっていた。
「(h)提案装置の改良」が不十分な場合にシミュレーションと実験を繰り返してその制御精度を改善する。
(i)提案装置（実機）による逆潮流時の動作確認を行う。
(j)提案装置（実機）による電力潮流制御（電圧変動補償および無効電力制御）の動作確認を行う。
(k)まとめを行い論文投稿を行う。
しかし，昨年度の進捗で遅れが出ているため，令和2年度は，まず，装置の試作完了を急ぎ，完成後に(i)，(j)，(k)の順で順次進めていく予定である。
|
| Causes of Carryover |
研究の進捗が遅れており，装置製作のための物品購入等が後ろ倒しになってしまった。さらに試作装置が未完成のため，予定の実験が実施され，実験補助者への謝金も不使用となった。また，新型コロナウィルス感染防止のため3月開催予定の電気学会全国大会が中止になり，旅費等が不要となった。これらの理由から次年度使用額が発生した。次年度使用額については，試作装置の完成と実験実施，成果発表のために使用する予定である。
|
Research Products
(6 results)
