2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of servo control algorithm for SRM used in machine tool
Project/Area Number |
18K04110
|
Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
鈴木 憲吏 東京都市大学, 工学部, 准教授 (20638134)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | SRM / サーボ制御 / コンバータ / インバータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,低損失インバータの開発およびサーボ制御システムの構築を目的としている。サーボ制御システムでは,高速回転時のスイッチング周波数の高周波化による電流制御の応答性向上やシングルパルス制御領域での制御性向上,さらに印加電圧可変による低トルクリプル化や高効率駆動の実現である。 前年度では,先に取得したシングルパルス制御時における点弧角・点弧幅・消弧角を可変し,様々な駆動条件下における消費電力の取得,リンク電圧との関係の細分化を行いリンク電圧と点弧や消弧に関連性が見られることが分かった。また,回転速度に応じて点弧角に変化が生じることを再確認した。これらの結果をベースとし,近似するような数値解析用のシミュレーションモデルの構築を行った。このモデルをベースに速度制御や電流制御,電源システムの制御信号のシミュレーションを実施し良好な結果が得られた。今年度は,制御系のシミュレーションと回路系のシミュレーションとを連成し,回路素子が制御系に及ぼす影響を考慮したシミュレーションを行った。制御系のシミュレーションでは,回路から影響を受ける遅れなどを考慮し実施した結果,指令に対して追従性の良い結果が得られた。また,回路シミュレータを利用して設計したSRM用に設計したインバータならびにコンバータの実機を基板から設計製作を行った。実機にて回転速度に応じたリンク電圧の可変を確認し,システムの構築が完了した。今後は,くみ上げたシステムを利用し,制御系シミュレーションで評価したサーボ制御システムを実機に実装を行い実駆動における性能評価を行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までに得た結果を用いて,実機の結果に近似するような数値解析用のシミュレーションモデルの構築を行った。加えてコンバータやインバータの回路及び実機を完成させ,テスト駆動が実施でき,指令通りの駆動を確認した。モデルをベースに速度制御や電流制御,電源システムの制御信号のシミュレーションを実施し良好な結果が得られ,先に述べた製作した実機にて,一般的な速度制御,電流制御による駆動の確認や可変速時に応じたコンバータ出力(リンク電圧)の可変動作も確認した。シミュレーション環境や実機の実験環境が完了したことを意味しており,今年度に立てた目標に対して満足の行く結果を得ていることから,おおむね順調に進んでいると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の方針は,完成した実験システムを用いて,シミュレーション上で構築した制御方式を実装し,効率の評価やサーボ制御システムとしてのアルゴリズムの評価を行う。制御系システムの構成は,FPGAにより実装しており演算能力や信号処理の高速化を実現した。また,高速回転時においてもインバータ等の回路損失を低減できるよう素子を選別し回路系を構成しているため,システム全体の効率や制御アルゴリズムの評価を行う。
|
Causes of Carryover |
十分に回路シミュレーションを行った結果,インバータやコンバータの試験運転時に想定していた故障や試作の回数を下回ったため,余分な支出を抑えることになった。次年度使用額については,本格的な実験的検証を行うため,実験操作中に生じた故障などに対応するためインバータやコンバータの部品の購入に充てたいと考えている。
|