2018 Fiscal Year Research-status Report
昇圧チョッパ付NPCインバータの超小型化に関する研究
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18K04121
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Research Institution | Kagoshima National College of Technology |
Principal Investigator |
逆瀬川 栄一 鹿児島工業高等専門学校, 電気電子工学科, 准教授 (30390503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳賀 仁 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (10469570)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 昇圧チョッパ / NPCインバータ / 小型化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では新昇圧チョッパをを用いたモータ駆動システムをシミュレーションおよび実機により構築し,直流リンク部のコンデンサリプル電圧5%を実現する新昇圧チョッパ制御法を開発する。新昇圧チョッパはNPCインバータに適した回路構成で昇圧と中性点電位(NPP)制御の両方の機能を合わせ持つ。NPP制御法を用いてコンデンサ容量を従来比の約1/8に低減する昇圧チョッパのPWMパターンを開発する。従来システムのコンデンサ容量は3900μFであることから,470μFに低減することを目標とする。 H30年度は,NPCインバータを抵抗負荷に置き換えた回路構成に対し、昇圧およびNPP制御の理論構築を行い、シミュレーションと実験による有効性確認を行った。理論構築では昇圧チョッパのスイッチングモード解析を行い,状態平均化法により昇圧比,コンデンサリプル電圧の理論式を導出した。NPC昇圧チョッパは上側と下側のコンデンサ電圧を個別に制御するため、通流比も任意の値に制御できることが求められるが、それを実現できることを理論的に示した。有効性の確認のため、シミュレーションと実験を行った。シミュレーションにはPSIMを用いた。実験にはスイッチング素子にIGBTを用いた実験回路を構築した。スイッチング周波数は10kHzとした。バッテリ電圧を20Vとし、直流リンク電圧と上下コンデンサ電圧を任意の値に制御するため、通流比を任意の値で制御した。結果として、実機検証により、任意の通流比において昇圧、およびNPP制御の両方を実現できることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NPCインバータを抵抗負荷に置き換えた回路において、昇圧、コンデンサ電圧の理論式を導出し、シミュレーションおよび実験により、その有効性を確認することができた。 当初はシミュレーションのみの検討としていたが、共同研究者である芳賀准教授のご協力により、実機検証を前倒しで行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、抵抗負荷に置き換えている部分をNPCインバータに変更し、NPCインバータのみの実験回路を構築する。その際、PWM変調法は三角波比較法でまず実現する。その後、NPC昇圧チョッパと組み合わせ、昇圧チョッパ付NPCインバータの実験回路を構築する。その際、PWM変調法を空間ベクトル法に変更する。実験回路製作と並行し、シミュレーションにおいて、コンデンサ電圧リプルを最小化するためのNPP制御PWMパターンを構築し,その補償効果より確認する。研究遂行上で問題が生じた場合は,負荷を抵抗負荷に変更する,インバータを2レベルに変更する,キャリア比較法によるNPP制御など着実に遂行できるよう対処する。 昇圧チョッパの出力モードとNPCインバータの出力ベクトルの協調制御を行うことで、コンデンサリプル電圧を最小化する条件を決定する。実験条件として、直流入力電圧を70V、バッテリ電圧を280Vまで昇圧することを目指す。NPCインバータの負荷は定格出力1.5kWのモータとし、定格運転時におけるコンデンサリプル電圧の評価を行う。モータ負荷において、提案するNPP制御がうまくいかなかった場合、上記と同様の対策で問題解決を図る。
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Causes of Carryover |
実機実験用のコントローラであるPE-Expert4が主な購入物品である。この購入に際し、キャンペーンによる割引が適用できたたため、支出を抑えることができた。また、旅費について、学内の補助を受けることができたため、旅費の支出は不要であった。よって、翌年度の物品購入費に充当する予定である。
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