2021 Fiscal Year Research-status Report
同期ずれを考慮した情報系列の距離・相関のモデル化と符号化法
Project/Area Number |
18K04125
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
金子 晴彦 東京工業大学, 情報理工学院, 准教授 (70392868)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 同期誤り訂正 / DNAストレージ / 制約符号化 / 耐量子計算機暗号 / QC-MDPC符号 / McEliece暗号 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的に沿って研究を実施し,2021年度は以下の実績が得られた. (1)Nanoporeシーケンサを用いたDNAストレージに対する挿入削除反転(IDS)誤り訂正法: 2020年度に提案した,同期誤りと非対称シンボル誤りが生じる通信路に対する,オーバーサンプリングを併用した符号化・復号法について,国際会議(オンライン)で発表を行った. (2)同期誤り訂正符号化と制約符号化: DNAストレージにおいては一般に,通信路符号化(シンボル誤り+同期誤り訂正符号化)のみでなく,制約符号化を適用することが求められる.本研究では,2種の制約(ランレングス制約及びGCバランス制約)を同時に満たすための制約化アルゴリズムとして,誤り訂正符号の符号語に対し,制約を満たすように意図的な誤りを付加する手法を提案した.シミュレーションにより相互情報量の推定を行い,提案手法の有効性を評価した. (3)本研究で実施してきたDNAストレージに対する同期誤り訂正符号化を総括し,電子情報通信学会総合大会においてチュートリアル講演を行った. (4)誤り訂正符号に基づく耐量子計算機暗号に関連して,以下の基礎的な研究を実施し,研究会等で発表を行った.(4a)Soft information set decoding における尤度比分布と計算量の関係をシミュレーションにより評価した. (4b) QC-MDPC符号の復号法として,従来のビットフリッピング(BF)復号よりも低い誤り率を与えるlook-ahead BF復号法を提案した. (4c) QC-MDPC McEliece暗号に対するreaction-based攻撃の検出法について,基礎的な検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に従って,同期誤りのモデル化,応用を考慮した符号化法の構築,符号を用いた暗号化,などの研究を行い,おおむね順調に進捗している. 国際会議,等の中止 や延期により外部発表が一部遅延している.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は特に,符号に基づく耐量子計算機暗号に重点をおき,復号誤り率の低減,攻撃耐性の向上,等に関する研究を進める.
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Causes of Carryover |
前年度に引き続き,国際会議等の延期及びオンライン化により旅費,学会参加費の支出が減少した.また,学生の登校制限によりRA謝金の支出が不可能 となった. 使用計画:主に,2022年度に開催される国際会議/研究会参加費,追加シミュレーションに使用する計算機の購入,等に使用する.
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Research Products
(7 results)