2018 Fiscal Year Research-status Report
Low-Latency and Energy-Efficient Network Architecture for Densely Distributed Wireless Sensing
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18K04138
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
上原 秀幸 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00293754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮路 祐一 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50712923)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | センサネットワーク / トポロジ / 省電力 / 低遅延 / アクセス制御 / 全二重 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,大量かつ高密度に分散配置された多様な無線センシングデバイスからなるネットワークに対して,省電力・低遅延・高スループットを実現する①ネットワーク構成法,②耐干渉アクセス制御法,③基幹網の全二重化を検討する。 初年度は,ネットワーク構成の初期検討として,2階層構造と3階層構造の代表的な無線センサネットワークであるHEED方式とHHCA方式を対象にして,ライフタイムとデータ到達量の観点から性能を評価した。この際,ノード数とエリアサイズを固定し,シンクがネットワークエリアの中心にある場合と外にある場合,トラヒックが地理的に一様な場合と偏る場合とを比較した。計算機シミュレーションの結果,シンクがエリア中心にある場合は,トラヒックの地理的な偏りに依らず,3階層構造のHHCA方式が2階層構造のHEEDに対して,ライフタイムで約2倍,データ到達量で約3倍の良好な性能を示した。一方,シンクがエリア外にある場合は,異なる結果が得られた。トラヒックが地理的に一様なとき,HHCAとHEEDのライフタイムに大きな差は見られなかったが,データ到達量はHHCAの方が約2倍多かった。トラヒックが地理的に偏った場合は2つのケースが確認できた。1つは,シンクに地理的に近い領域が高トラッヒクな場合であり,このときはトラヒックが一様な場合と同様な傾向が見られた。しかし,シンクから地理的に遠い領域が高トラヒックな場合は,HEEDの方が良好な性能を示し,HHCAに対してライフタイムで約4倍,データ到達量で約1.5倍となった。これらの結果から,シンク位置とトラヒックが偏る領域の地理的な位置関係が性能に影響を与えており,ネットワーク構成を検討する際に考慮すべき要素であることが示唆された。また,耐干渉アクセス制御と全二重化の要素技術についても検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定したテーマであるネットワークの構成要素の影響について,多くの構成要素や条件があるために,それらすべてを考慮するには至っておらず,典型的な階層化ネットワークであるHEEDとHHCAを限られた条件下で比較する初期検討にとどめ,次年度への足がかりとなる知見を得た。一方で,耐干渉アクセスと全二重化の要素技術については当初計画以上に新たな知見が得られており,研究全体としては概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
ネットワークの構成要素の影響について,今年度に得られた知見を踏まえ,他の構成要素や条件を整理して,遅延,省電力,スループットの観点から,性能に大きな影響を与える主要因を明らかにするべく引き続き調査を進める。合わせて,稠密環境下におけるアクセス制御方式の性能評価を行い,干渉に対しての適切な制御手法を検討する。さらに,同一帯域での全二重化技術についても検討を進める。
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Causes of Carryover |
使用額の端数に相当するものであり,計画通り執行されている。
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Research Products
(14 results)