2018 Fiscal Year Research-status Report
A study of broadband LED visible light communication systems for IoT
Project/Area Number |
18K04143
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
冨里 繁 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (60362951)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 一浩 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (10221798)
田野 哲 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (80378835)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | LED / 可視光通信 / 空間多重化 / 非線形歪補償 / 高速信号伝送 |
Outline of Annual Research Achievements |
LED可視光通信で高速信号伝送システムを構築する上で問題となる可視光通信用LEDの非線形歪を補償する手法として,LED入力をディジタル的にプリディストーションする手法を検討し,この手法のLED線形化効果を明らかにした.実験データを用いた計算機シミュレーションによる性能評価から,プリディストーションがLEDの非線形歪補償に有効であることを明らかにした. さらに,送信機側で圧縮処理,受信機側で伸長処理を行う非線形歪補償手法をこのプリディストーション手法と組み合わせる手法を新たに提案し,その効果を計算機シミュレーションにより評価した.評価結果から,信号対雑音比(SNR)が高い場合にはほぼ完全に線形化でき,SNRが低い領域でも,プリディストーションのみと比較して,線形性を10dB以上改善できることを明らかにした.さらに,この圧縮・伸長処理で用いる関数の係数を受信機のSNRに応じて適応的に変える手法を提案し,この手法によりSNRの低い領域でもほぼ完全に線形化できることを明らかにした. LED可視光通信において,空間的に多重化するため,可視光通信に用いるLED照明の配置法を検討した.受光素子の受光範囲と配置角度をパラメータとして評価を行い,複数のLED照明と複数の受光素子を用いて並列に同時に信号伝送を行う場合の互いに干渉を受けないLED照明間距離を明らかにした.評価結果から天井高の0.5倍程度の実用的な照明間距離で信号伝送が可能であることを示し,LED可視光通信における空間的多重化実現の可能性を示すことができた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題のLED可視光通信システム構成法を確立する上で必要となる可視光通信用LEDの非線形歪補償手法を新たに提案できた.また,その有効性を計算機シミュレーションにより評価し,その結果から,提案手法によりLEDの非線形性をほぼ完全に線形化できることを明らかにできた. 次に,信号伝送速度を高速化できるLED可視光通信における空間的多重化の検討において,空間的多重化を行う上で必要となるLED照明と受光素子の配置法を明らかにできた. 以上の点から,計画していた研究内容を行い有効な結果が得られており,研究課題はおおむね順調に進展していると考えられる.
|
Strategy for Future Research Activity |
可視光通信用LEDの非線形歪補償手法として,圧縮・伸長処理を行う非線形歪補償手法とプリディストーションとを組み合わせる提案手法について,実用的なシステムにおける有効性を検討し,性能評価を行う. また,広帯域信号伝送時に問題となるLEDの周波数特性における振幅偏差について,振幅偏差を補償する手法を検討し,その有効性を評価する. LED可視光通信における空間的多重化について,前期に明らかにした複数のLED照明と複数の受光素子を用いて並列に同時に信号伝送を行う場合の互いに干渉を受けないLED照明間距離について,実際の適用環境に合わせた評価を行い,実用的な環境での有効性を明らかにする. さらに,空間的多重化における信号伝送速度の高速化効果について定量的に明らかにする.
|
Causes of Carryover |
研究成果の学会投稿の一部を次年度投稿としたため,一部の研究費が残ることとなった.この研究費は,次年度の研究成果の投稿に関する費用に加算して使用する.
|
Research Products
(4 results)