2019 Fiscal Year Research-status Report
複雑多様化する無線送電環境のレイアウトを可能にするメタ表面の提案
Project/Area Number |
18K04144
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
藤森 和博 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (70314705)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | メタ表面 / 無線送電 / 円環配列構造 / 近傍界測定 / GPGPUクラスタ |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題は,円環配列構造のメタ表面を実現し,無線電力伝送システムへ適用することで,システムの高効率化だけでなく,システムの自由度を向上させることを目標としている. 令和元年度は,平成30年度の検討より得られるメタ表面を無線送電システムに磁気壁として適用したときの効果について,実際に磁気結合型無線送電システムの実験系を構築し,提案するメタ表面の効果の実証を目標として研究を実施した. 基本構造として提案した等脚台形パッチからなるマッシュルーム構造の特性向上を図るため,扇形パッチからなるマッシュルーム構造の提案と,磁気結合型無線送電システムへ適用した場合の効果について解析的な検討を行い,前年度に構築した近傍電磁界測定システムをはじめ,ネットワークアナライザを用いた実証実験を実施するに至った.その結果をIEEE広島支部が企画するIEEE Hiroshima Section Student Symposiumにて発表を行い,Micron Awardを受賞している. また,多重の円環配列構造を解析するための環境として大容量メモリを搭載したワークステーションを計上していたが,解析時間の大幅な短縮を狙いGPGPUクラスタを整備し,令和2年度に実施を計画するシステムの大規模解析の着手する準備が概ね完了した. 令和2年度は,これまで整備してきた実験環境,解析環境を最大限に利用し,多重円環配列構造による磁気壁の実現と最適設計についての検討を実施する.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題で提案する円環配列メタ表面の提案,解析的検討,実証実験については計画通り実施できている. 一方,多重円環配列メタ表面については解析リソース不足が懸念されていたが,GPGPUクラスタを利用する環境が整備できたため,こちらも概ね順調に進んでいると判断する.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は多重円環配列メタ表面の実現,無線送電システムに適用した際の電磁界分布の可視化に向けた検討が主となり,これら2つの課題は本申請においてチャレンジとして位置付けており,並行して着手する. 前者は解析的なアプローチから,所望の特性を得るためのパラメータを明らかにするための検討を行い,後者は実験的なアプローチから,メタ表面の効果を空間的に示すための検討を実施する. 研究遂行上,現時点で支障をきたす問題点はないと判断している.
|