2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study on globally convergent algorithms for solving nonlinear systems using mathematical techniques
Project/Area Number |
18K04151
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
山村 清隆 中央大学, 理工学部, 教授 (30182603)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 非線形理論・回路 / 非線形数値解析 / 大規模集積回路 / 全解探索 / 数理計画法 / 整数計画法 / ホモトピー法 / 区間解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は2018~2022年度の5年間で、以下の三つのテーマで成果をあげることを目標として行われた。(1) 線形計画法を用いた非線形回路のすべての直流動作点を求めるアルゴリズムに関する研究、(2) 整数計画法を用いた非線形回路のすべての解集合を求めるアルゴリズムに関する研究、(3) ホモトピー法を用いた非線形回路の大域的求解法に関する研究。(1)と(2)については2018~2020年度の3年間で計画通りの成果をあげることに成功し、インパクトファクター2.872の国際ジャーナルJournal of Computational and Applied Mathematicsに2編の論文を発表した。2021年度以降は(3)の研究に集中的に取り組み、2022年7月に理論面で完成したため、それ以降はプログラム作成とシミュレーション実験およびデータ収集を行った。達成された研究成果の概要は以下の通りである。 n式n+1変数の非線形方程式の解曲線を追跡することは、理工学上の諸方面で現れる重要な問題で、集積回路設計でも特性曲線解析やホモトピー法による直流動作点解析において重要となる。代表的な解曲線追跡法として予測子修正子法が知られているが、この方法は解曲線追跡の過程で、他の解曲線(あるいは追跡中の解曲線の別な場所)へ乗り移るという現象が起きることが古くから知られており、いまだ解決されていない予測子修正子の本質的な問題とされていた。 本研究では、予測子修正子法における「解曲線の乗り移り現象」の発生頻度を減らすための実用的な方法、すなわち「理論的な裏づけがあるとともに」「実用性があり」「大規模問題にも適用できる」方法を提案し、その有効性について検証した。本手法は予測子修正子法の計算過程で現れる数値の符号を調べるだけの方法であるため、追加の計算量がほとんどゼロであり、大規模問題にも適用できる。
|