2018 Fiscal Year Research-status Report
Generalized synthetic aperture sensing with wavefront coding
Project/Area Number |
18K04161
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
田村 安孝 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (40171904)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 多次元信号処理 / 波面の符号化 / 合成開口 / L1ノルム最小化 |
Outline of Annual Research Achievements |
直線状にならべた送受信素子アレイについて,反射率分布と受信波面を離散化したデータの間の伝達行列を求める数学モデルをコンピュータ上に実装した。これを用いて,伝達行列の特異値分解により基底ベクトルを求め,素子数や素子配置を変更して分解能やダイナミックレンジを評価するシステムを構築した。 次に,基底ベクトルを用いた線形な前処理により,空間的選択性の相対感度を広い角度範囲で低く抑えるWide Null Beamformerを構成できることを確認した。Wide Nullを形成することにより,指定した角度範囲の外での感度の相対レベルを従来方式に比べ-10から-14dB低減できることを示した。 並行して,L1ノルム最小化による高分解能撮像方式の検討を行った。これまでに,周波数毎に角度方向の反射率分布をL1ノルム最小化により求めてからフーリエ逆変換により奥行き方向の分布を復元することで,角度方向について複数の反射体の像を高分解能で得られることを示している。しかし,反射体の数が増大するに従い,再構成した画像のアーチファクトのレベルが増大し,繰り返し計算の収束時間も増加するという問題があった。 そこで,反射率分布を線形変換によりスパース化してL1ノルム最小化を適用する方法を検討した。スパース化基底としては,二次元のDaubechiesウェーブレット基底とコサイン基底を用いるものが最も良い結果が得られた。復元された反射率分布と元の分布の誤差をRMSEで評価した結果,素子数1024のとき,従来のL1ノルム最小化手法ではRMSE値が0.835と比較的高い値をとったのに対し,新しい手法のウェーブレット基底を用いた場合では0.320,コサイン基底を用いた場合では0.157となり,旧手法に比べて0.515~0.678程減少する結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り,離散化した観測モデルを表す伝達行列から特異値分解により基底ベクトルを計算し,これを用いて空間分解能やダイナミックレンジ,雑音耐性などの要求に対するデータ量の下限を見積もり,情報復元用行列を設計すソフトウェアを構築できた。 さらに,基底ベクトルを用いた線形な前処理により,解が存在する範囲を制限したデータを得るWide Null Beamformerを構成できることを示した。 また,Wide Null Beamformerと組み合わせることとなる,L1ノルム最小化法による合成開口演算についても,従来できていなかった密に散乱する反射体の分布を画像化できることを示している。 現在,実際の応用で想定される,3次元の反射率分布に対応したソフトウェアへの変更作業を進めている。高速演算システムについては,当初見込みより性能に余裕を持たせたいと考えている。また,非線形特性を持つ開口素子の実装については,回路構成の基礎的検討に着手した段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの成果を,不完全な直交性を持つ複数の送信波の多重化送信やランダム配置などの,一般化された開口を持つ観測系に拡張する。また,反射率分布が3次元になっている場合について検討を行う。 計算量が増えることから,高速演算システムの整備を,前年度に引き続き進める。 一般化された合成開口システムで,性能要求を満たすための条件と,情報復元の最適な方法をシミュレーションにより明らかにする。また,非線形特性を持つ送信素子や,少数の信号チャンネルにより波面を変換するアレイ素子を試作することも計画している。
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Causes of Carryover |
旅費・人件費および高速演算用の並列グラフィックスカードの購入費を科学研究費以外の予算から支出したため。使用計画としては,高速計算システムの整備と実験用のFPGAボードのパーツの購入への支出を計画している。
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Research Products
(1 results)