2018 Fiscal Year Research-status Report
多周波ステップCPC方式における空間・周波数ダイバーシチ技術の研究
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18K04162
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
秋田 学 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (50619393)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | レーダ / 多周波ステップ方式 / 空間ダイバーシチ / 周波数ダイバーシチ / マルチパスフェージング |
Outline of Annual Research Achievements |
ITS産業分野における次世代レーダには、市街地にて運用可能であること(多目標対処能力)、遠距離性、広い検知エリア、高距離分解能、目標(ターゲット)の位置速度ベクトル推定、近距離から遠距離まで安定した検知能力等が求められている。本研究では、次世代レーダ変復調方式として申請者らが提案し、多目標対処能力、遠距離性、広い検知エリア、高距離分解能の特長を有する多周波ステップ方式に着目する。本研究では、実環境において深刻な課題となるマルチパスフェージングに対して同方式における空間・周波数ダイバーシチ技術を研究することにより、上記に加え近距離から遠距離まで安定した検知能力を実現することを目的とする。 平成30年度は、まずマルチパスが路面反射にのみ限定される条件において、レーダで利用可能な周波数帯域 24.05GHz~24.25GHz,60.0GHz~61.0GHz,76.0GHz~77.0GHz,78.0GHz~81.0GHzにおける路面反射マルチパスフェージング特性について送受信アンテナ高さと目標の高さと目標の反射特性との関係を計算機シミュレーションにより調査、把握した。その後、マルチパスが路面反射マルチパスに限定される場合におけるフェージングに対処する空間・周波数コヒーレント合成の基本アルゴリズムを検討した。ここではさらにITS産業分野への応用を想定して(観測時間内の目標の距離の変化を考慮)対策案を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付申請書に記載した研究実施計画通りにおおむね順調に進展しているが,当初の計画では,マルチパスフェージングについて路面反射マルチパスだけでなくガードレール等による反射があるような複雑な条件におけるマルチパスフェージング特性を同様に調査,把握する計画であったが、マルチパスが路面反射マルチパスによるフェージングに限定されたシンプルな環境に対処する空間・周波数コヒーレント合成の基本アルゴリズムの検討にとどまっている。 これは空間・周波数コヒーレント合成の基本アルゴリズムが,路面反射マルチパスに限定したシンプルな環境において当初予想した性能が得られず、まずこのシンプルな環境において基本アルゴリズムが有効であることを確認することに期間を要したためである。
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Strategy for Future Research Activity |
H30年度に検討した基本アルゴリズムの有効性について、路面反射マルチパスフェージングに限定した条件において、近距離から遠距離まで安定した検知能力の観点から計算機シミュレーションにより評価する。上記により有効性を確認した後、路面反射マルチパスだけでなくガードレール等による反射があるような条件におけるマルチパスフェージング特性を同様に調査、把握する。路面反射マルチパスだけでなくガードレール等によるマルチパスフェージングが発生するような条件に対処する空間・周波数コヒーレント合成法をマルチパスフェージング特性および平成30年度に開発した基本アルゴリズムをもとに改良する。 提案法の有効性を実験的に確認するために,路面反射マルチパスだけに限定される環境,路面反射マルチパスだけでなくガードレール等による反射があるような複雑な環境において実験を実施し,提案法の有効性について近距離から遠距離まで安定した検知能力の観点から評価する。
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Causes of Carryover |
令和元年度の使用計画通りに使用し,次年度使用額(B-A)は研究成果発表の旅費として使用する。
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