2020 Fiscal Year Annual Research Report
Shortening of measurement time for in vivo digital EPR spectrometer
Project/Area Number |
18K04164
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
赤羽 英夫 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (00552077)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 電子スピン共鳴 / EPRイメージング / デジタルEPR分光器 / 自動整合回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
フリーラジカル分子の3次元可視化が可能な生体用デジタル電子スピン共鳴(EPR)分光器の高速化を目的として、2020年度は、(1) 前年度に開発した2次元アレイ型磁気回路を駆動可能なコイルドライバーの開発、(2)デジタルEPRコンソールとPC間の高速データ送受信プログラムの開発、(3)動物実験に向けた小型EPRイメージング装置の開発などを行った。コイルを駆動するコイルドライバーは、オペアンプ(MP111FD, Apex Microtechnology社製 )から構成する電圧電流変換回路と市販のAC-DCコンバータを組み合わせて製作した。高速に磁場を掃引することからコイルで発生する逆起電圧によりオペアンプが故障することがあった。そのため、ダイオードを用いた保護回路を実装し、安定に電子スピン共鳴スペクトルを取得できるように改良した。また、高速なオペアンプと低インダクタンスを有するコイルを採用したことから、従来に比べ磁場掃引の線形性が改善し、18 msスキャンにおいて歪みのないEPRスペクトルの取得が可能となった。ただし、スペクトルの取得が高速化しても、多数の投影スペクトルが必要なイメージングの場合、通信によるデットタイムが発生するとイメージングの取得時間は長くなる問題があった。そこで、パラメータの送信とデータの受信を高速に切り替えるようにコマンドを作成し、またデータの受信をスペクトルの取得中に行うことにより、デットタイムをなくしたイメージング取得プログラムを実現した。その結果、フリーラジカル(例えば、tempone-d16水溶液)の空間イメージングを投影数181本の場合に約4秒毎に取得できるようになった。また、高速化した分光器の検証を小動物を用いて行うために、小型なEPRイメージングシステムの試作装置を製作し、現在研究協力機関の動物実験施設に仮に設置している。プロジェクト終了後も引き続き、研究協力者のもとで動物を用いた検証を行う予定である。
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