2019 Fiscal Year Research-status Report
FMCW digital holographic method to achieve stress analysis for multilayer coating films
Project/Area Number |
18K04165
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
横田 正幸 島根大学, 学術研究院理工学系, 教授 (80323335)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | FMCW / 外部共振器型LD |
Outline of Annual Research Achievements |
FMCWディジタルホログラフィ法について,参照光に光路長の異なる直交直線偏光を用いて物体光の偏光状態を記録し,解析した.直交直線偏光の参照光それぞれに光路長を割り当て,高速CMOSカメラ上で記録されるビート周波数が20Hzと30Hzとなるように設定し,500fpsで1秒間記録したホログラムに対するフーリエ解析からそれぞれのビート信号を抽出し,ホログラムを再構成した.今年度は,物体として用いた4分の1波長板の方位を回転させた際に得られた楕円偏光の物体光に対して本手法により記録,解析した偏光状態と,理論計算により得た偏光状態を比較し,昨年度に問題となっていた誤差を1/2程度に軽減することができた.昨年度までは光学系の調整において,直交直線偏光の参照光に別々に生じていた波面の歪を,光学系の改善と再調整により軽減することができた.これらにより得られた成果をIP2019国際会議,OpticalMetrology2019国際会議,OIE2019国際会議及び日本光学会年次大会において発表した.現在は,波長板の回転角を5度程度ずつと細かく設定した場合の,それぞれの透過物体光に対する偏光状態の決定を行い,理論値との比較を行っている.また,波長板の測定後は応力印加前後における透過光の偏光状態の解析を行い,これを発展させて多重化した物体中における応力の測定を行う予定である.また,現在は半導体レーザーを光源に使用しているが,これを外部共振器型LDに変更し,周波数変調帯域幅を2倍以上に増やして分解能の向上を確認する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
概要の所で述べたように昨年度に見られた参照光に重畳した波面の歪の原因特定に時間を要してしまったことが最大の要因である.光学系に導入した偏光子プリズムやミラー面などを細かに調査した所,最終的な原因としては,空間フィルタに用いたピンホールの位置調整が不良であり,その前後のレンズ系のコリメート調整が不十分だったことが主な原因であることが分かった.これを解消するために,コリメートチェッカーを導入し,可視光の波長範囲ギリギリである半導体レーザー光に対して干渉縞を確認しながら調整することにより波面歪の修正に成功した.これにより平面波の精度が上がり,直交偏光間で重要な位相差や振幅比角の決定精度が向上した.
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Strategy for Future Research Activity |
上記に述べたように直交偏光間において,参照光の波面精度の向上により物体光の偏光解析精度が向上したことが確認できた.よって,波長板を用いて直線偏光から楕円,円偏光までを生成し,それぞれの物体光に対する偏光解析精度を確認する.その後,透明アクリル板から作成したリング試料に対する応力印加実験を行い,応力分布の可視化を行う.さらには多層化した物体における所望位置における応力解析を試みる.その後,光源を外部共振器型LDに交換し,周波数変調帯域幅を拡張した場合の物体分離度,距離分解能について実験により知らべる.今後の応用の一つに多物体の検出及び解析を検討しており,そのための基礎実験を行う.
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Causes of Carryover |
参照光の波面精度に関する問題により,当初予定した所まで研究が進展しなかったため次年度の使用額が生じてしまった.
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Research Products
(4 results)