2021 Fiscal Year Research-status Report
骨折回避AIナビゲーションANZENの開発:診断法の策定から臨床試験まで
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18K04179
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
酒井 利奈 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (10383647)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 人工股関節 / 術中骨折 / 周波数 |
Outline of Annual Research Achievements |
人工股関節置換術(THA)の術中骨折の予測に,ステムのハンマリング音を利用するTHA支援システムの開発を継続してきた.メディカルスタッフにとって持ち運びと操作性の簡便さは,システムを利用する際の重要なファクターとなる.そこで装置は持ち運びに便利な小型化を目指し,操作を単純化するためのソフトウェア開発を進めてきた.システムは物理的な空間を塞ぐことなくベッドサイドの空中にモニタリングすることができれば外科医の負担を軽減することが予想される.そこで本研究では空中ディスプレイを用いた空中操作端末の構築を目的とした. 人工股関節置換術ハンマリング支援システムハードウェアとしてスティックPC(VivoStick PC TS10-B174D,ASUS)を採用し,空中ディスプレイ(KC-W1,ASUKA)と接続した.映像出力用HDMIケーブル,センサ動作用USBケーブルを配線し,操作はbluetoothミニキーボード(EWIN)で行った.ハンマリング音の収音にハンド式単一指向性マイクロフォンF-P 5500(Sony)を接続した. 空中操作端末のハードウェアにスティックPCを採用したことで,本来タブレットPCで想定していたデバイスよりもシステムを大幅に小型化することに成功した.システムのGUIにおいて,ステムの固定性を判定する結果の表示は,最も大きく表示すべきと考えた.執刀医が術野に集中できるよう,ステムが固定したタイミングで音による注意喚起をするなどの工夫が考えられる.空中ディスプレイのボタン操作は慣れが必要であると考えていた.しかし操作性以上にディスプレイの視認性に問題があることが明らかになった.正面以外の角度からは視認が困難であり,執刀医と助手で画面の情報共有ができないことが推定される.今後のシステム改良に必要な個所が抽出できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
最終年度に行う予定であった臨床試験を前倒して遂行することができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
本取組の最終目標は,医師と患者に安全・安心を提供できるナビゲーションを提供することである.当該年度は臨床使用における可能性を検証し問題点を顕在化さた中期のフェーズと位置付ける.今後は手術室への持ち運びと操作性が簡便な小型デバイスの改良を重ね,骨粗鬆症の病態モデルに対する骨折回避の有効性の検討と,医師によるアクセシビリティの検証を進めていく計画である.
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Research Products
(2 results)