2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K04203
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和田 孝之 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (60599207)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 制御工学 / システム工学 / 数理工学 / ディペンダビリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,制御システムについて,頑健さの指標 ( ディペンダビリティ ) を与えることを目指しており,ディペンダビリティの定式化,ディペンダブルな制御システムの実現方法,ディペンダビリティの解析手法などを与えることを目指している. 本年度は,多数のサブシステムからなる大規模分散システムについて,通信構造のスパース性と制御性能を両立する制御系の設計問題を考えた.通信量が少ないことは頑健さにつながる重要な性質である.まず,この問題の定式化を与え,それをもとに協力ゲームの提携形成問題を定式化した.結果として,考えた制御問題が協力ゲーム理論における標準的な問題として解釈可能であり,得られた提携を頑健なものとするために,協力ゲームの解の概念を利用することができそうであることがわかった. 多数のサブシステムからなる大規模分散システムについて,システム全体での制御指標が与えられていたとしても,個々のサブシステムについて,性能指標を与えることは簡単ではない.この問題に対して,どのように個々のサブシステムの制御指標を設計すればよいかを検討した.得られた設計手法は,従来のものと同じ性能を持つにもかかわらず,計算手数がすくないものである.また,性能指標が凸関数である場合には,各サブシステムについて個々の情報のみで算出可能な性能指標で十分な性能を発揮することを示した. これらに加えて,現在,ディペンダビリティの解析手法として,ランダマイズドアルゴリズムの再検討をはじめている.こちらについては,従来の複雑な理論について,見通しをよくする解釈を与えることを目指している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,具体的な問題を取り上げ検討を続けている.
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Strategy for Future Research Activity |
今年も引き続き,ゲーム理論に基づく制御方策について研究を進める.また,初年度に研究を進めていた分散状態推定問題についても,基礎的な成果は出そろったので,まとめていく予定である.
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Causes of Carryover |
3月に参加する予定であった学会が新型コロナウィルスの流行阻止のため,急遽中止となり,旅費等の支出が大幅に少なくなった.次年度についても,旅費支出は少なくなることが予想されるが,オンラインで参加可能なイベントも多いため,研究資料収集を充実させ,研究を精力的に進めたい.
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Research Products
(4 results)