2021 Fiscal Year Annual Research Report
Fundamental theory for dependable control
Project/Area Number |
18K04203
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和田 孝之 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (60599207)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 制御工学 / 数理工学 / アルゴリズム / ディペンダビリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,制御システムについて,頑健さの指標(ディペンダビリティ)を確立することを目指しており,その定式化,ディペンダブルな制御システムの実現方法,ディペンダブルかどうかの解析手法などを与えることを目標としている.本年度は,多数のサブシステムからなる大規模分散システムにおいて,システム全体として達成したい制御目標をもとに,個々のサブシステムにどのような評価関数を与えればよいかという問題にとりくんだ.目的関数を設計する際,Shapley値を用いるとその計算複雑さのため,現実的な時間で評価関数を設計することができない.そこで,計算コストに配慮した新たな設計法を与えた.そしてその性能を均衡解が存在した場合の,最悪ケースの値により評価した.なお,均衡解がどのような場合に存在するかについても検討を行った. これ以外にも,センサが空間上に多数配置され,それらの情報を統合することにより,対象システムの状態を推定する分散オブザーバについて検討を行った.このオブザーバは中央集権的な構造ではないため,一部のセンサが故障してもそのまま動作可能であるという意味でディペンダビリティを有している.さらに,センサの電池に配慮し通信を非同期に行うことを考えた.これによりシステムの可用性が向上する.各センサがいつ通信を行うかをランダムに決定するようにしたが,連続的に通信が可能な標準的な問題設定において推定が可能ならば,非同期通信に置き換えたとしても,推定誤差が零に収束するような非同期ランダムな通信間隔の決定法が必ず存在することを示した.さらに,推定誤差が零に収束するような確率変数のパラメータが満たすべき条件も導出している.
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